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散歩の三百二十一話 メニューの決定と皆で造花作り

 ボロボロになった辺境伯樣を引きずって、エミリア樣達も戻ってきました。


「あらケンちゃん、美味しそうに食べているわね」

「うん! まんまるやきだよ!」


 ケントちゃんが満面の笑みを浮かべながら、エミリア様と話をしていました。

 今食べているのは中にチーズが入っていて、子どもにも人気が出そうです。

 と、ここで僕はあるまんまる焼きを辺境伯樣に差し出しました。


「辺境伯樣、こちらはどうですか?」

「うむ、もぐもぐ。刺激的な味だが、まあ大丈夫だな」

「俺にも食わせてくれ。うん、まだこれなら大丈夫だぞ」


 くそー、辛口のまんまる焼きを試食させたのに、辺境伯樣は全然平気な顔をしている。

 職人も全然余裕って顔だ。

 西の辺境伯領の獣人は、どうも辛いのは大丈夫みたいだぞ。


 ひょい、ぱく。


「あっ」

「「あーーーーー! からーーーい!」」

「あわわわ……」


 そして、シロとフランが辛口まんまる焼きをつまみ食いして、地面にのたうち回っています。

 あなた達、北の辺境伯領でもデスカレーをつまみ食いして辛さでのたうち回っていたよね?

 ホルンが急いで二人に回復魔法をかけるけど、シロとフランの唇はタラコみたいに腫れてしまった。

 結局まんまる焼きは、肉と魚介とチーズの三種で食べてみてのお楽しみになりました。

 お好み焼きもどきとタンドリーチキンもどきも提供するので、メニューとしてはこれで大丈夫でしょう。

 お腹もいっぱいになったので、午後の作業開始です。


 ちまちまちま。


 午前中の作業の続きで、再び造花を作っていきます。

 こういう細かい作業は、集中できて良いなあ。


 とととと。


「シュンお兄ちゃん、シロもお花作りたい!」

「シロは結婚式の対応をしていたんじゃないのか?」

「今日は終わりだって。スーお姉ちゃんもこっちに来るよ」


 シロが僕の背中に覆いかぶさる様に抱きついてきたけど、今日の結婚式担当班はもう終わりみたいです。

 それじゃあという事で、皆で造花を作る事になりました。


「ふんふんふーん」

「こんな感じかな?」


 ここで意外な才能を発揮したのが、シロとホルンでした。

 二人とも、手先を器用に使って造花を作っていきます。


「うーんと、こうかな?」

「こーだよ!」


 フランは手先のぶきっちょを発揮して、もはやケントちゃんとお遊びの領域に入っています。

 まあ、楽しんでいるから良いとしましょうか。

 そして、ちょっと問題なのがこの三人でした。


「うーん、上手くできない」

「難しい、刺繍よりも難しいです」

「裁縫は、花嫁修行でやったはずなのですが……」


 スー、ケーシーさん、テルマさんは、思った以上に苦戦していました。

 裁縫の経験はあるのですが、こういうものは経験がないみたいです。

 でも、少し頑張れば上手くいきそうですね。


「ほら、この位できないと結婚した時に役に立たないわ」

「「「うー、頑張ります……」


 ささっと造花を作ったエミリア様からも、三人は少し言われてしまいました。

 造花は明日も作るので、三人の嫁力アップに繋げて貰いましょう。

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