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散歩の二十九話 基礎はまだまだこれから

「むにゃむにゃ。はっ、ここは!」

「おはよー、スーお姉ちゃん!」

「スー、起きたか。朝食の準備をしているから、ちょっと待っていてね」

「シロちゃんにシュンさん。おはようございます……」


 朝食の準備をしていたら、すやすやと寝ていたスーがガバッと起きた。

 何だかかなり慌てていたが、シロと僕が声をかけると落ち着いた様子だった。

 あえて深くは追及しないで、朝食に誘った。


「美味しい、シュンさんは料理ができるんですね」

「と言っても、簡単なものだけですよ」

「えー、シュンお兄ちゃんの料理は美味しいよ」

「私は料理が出来ないので、とても羨ましいです」

「シロもー!」


 出来合いの物を簡単に料理しただけなのに、シロも話に乗っかってきてちょっとした僕の褒め合いになってしまった。

 因みに、紅茶にお菓子を付けてあげたら二人とも喜んでくれた。


 その後は着替えて朝の訓練だが、ここでとある事実が発覚する。

 

「スー、自分の属性って分かっている?」

「回復属性だと思っていました」

「いや、どう見ても聖属性でしょう。しかも、特化型かもしれない」


 魔力循環を皆でしていたら、スーが光っていてびっくりしたよ。

 宿のメンバーで回復属性の人は青白く光るので、ひと目見て全然違うと思ったよ。

 しかも、今まで殆ど魔法の訓練を教わって来なかったという。


「先生もカラミティ様も、努力して使えるようにしろの一点張りでした」

「カラミティ様?」

「はい、一緒にいた魔法使いの女性です」

「絶対にスーの方が魔法の才能があったから、適当な事を言っていたんだろう」

「あの女なら、スーの才能に嫉妬してもおかしくないな」 


 僕と他の人の意見も一致した。

 もう過去の事は仕方ないので、スーは基礎訓練を続けて魔力を上手く操れる様にしないと。

 もしかしたら、スーはとんでもない逸材かもしれないぞ。

 

 その後は組手の練習だが、スーは先ずは回避の練習からスタート。


「スーお姉ちゃん、いくよ!」

「はい!」


 スーは、シロとアオの攻撃を何とか避けている。

 運動能力もそんなに悪くない様に見えるな。

 育ってきた環境と、教えてきた人が最悪だったのだろう。

 キチンと食事をして運動すれば、動きもだいぶ良くなると思うな。


「ぶほっ!」

「あー、スーお姉ちゃんごめんなさい!」


 あ、シロの攻撃を避けきれなくて、スーの顔面に綺麗にパンチが当たってしまった。

 慌ててアオが回復魔法をかけるけど、スーは今朝の訓練はここまでだな。

 慌てずに基礎を固めていこう。

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