散歩の二百七十話 西の辺境伯領までのルート
冒険者ギルドで西の辺境伯領へ向かうルートを確認します。
今までは馬車で移動できたけど、西の辺境伯領へも馬車で行ければ良いな。
そんな事を思いながら、荷物運びの完了手続きをしながら受付の人に聞いてみます。
「北の辺境伯領から西の辺境伯領へは、幾つかのルートが出ております。多くの人は、海沿いのルートを選択します。勿論、馬車便も整備されていますよ」
冒険者ギルドの受付の人に聞いたけど、馬車便が出ているのか。
これはラッキーだと思っていたら、フランとホルンが不思議そうな顔をしていました。
「ねーねー、海ってなあに?」
「どんなものなの?」
あっ、そうか。
フランとホルンは、海という存在を知らないんだ。
二人はまだまだ色々な事を知らないから、少しずつ教えていかないとなあ。
「海はね、湖みたいにいっぱい水があるんだけどとってもしょっぱいんだよ」
「それでね、海にもいっぱいお魚がいてとっても美味しいんだよ!」
「「海行きたーい!」」
うん、フランとホルンは不思議な事よりも美味しい物が優先だね。
シロが海にも魚がいるというと、アオと一緒になってテンションが凄い上がっているよ。
こういう反応を見ると、フランとホルンも子どもらしいって思えるね。
「馬車だとまた二十日間位の旅になりそうですね」
「大体いつも通りだね。道中何かあってもいい様に、色々買いそろえておこう」
出発まではまだ時間があるので、必要な物を少しずつ買いそろえる事にしよう。
そんな事を思いながら、辺境伯様の屋敷に戻ります。
「スーお姉様、お帰りなさい!」
「わっ、フィーナただいま」
玄関に入ると、待ちきれないって感じのフィーナさんがスーに抱きついていきました。
スーが仕方ないって表情でフィーナさんの頭を撫でると、フィーナさんもご満悦な表情でした。
「スーお姉様、皆で一緒にお風呂に入りましょう!」
「はいはい、分かりましたから手を引っ張らないの」
フィーナさんもできるだけスーと一緒に居ようとしているんだね。
そんな事を思いながら、僕はお風呂に向かっていく女性陣を見送っていました。
さて、僕は部屋についている風呂でさっぱりとしますか。
この辺境伯様の屋敷に滞在するのもあと少しだなと思いながら、僕は部屋に向かって行きました。




