表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/1074

散歩の二十七話 スーの様子

「シュンか、丁度いい所にいた」


 薬草の取引が終わった所で、ギルドマスターが受付から声をかけてきた。

 何かあったのだろうか?


「なに、ちょっとした話だ、直ぐに終わるぞ」

「分かりました。スーとシロはちょっと待っていてね」

「「はーい」」


 宿のメンバーとお喋りしている二人に声をかけて、僕はギルドマスターと共に個室に入った。


「先ずはスーの様子だが、外にいた時は問題なかったか?」

「ええ。シロとも一緒に宿に宿泊している人とも話をしていましたよ。少し笑顔も見えました」

「そうか、それは良かった。殴られた跡もあったから、少し気になっていたんだ」

「僕も気をつけて見ていました。無理をしている感じではありませんでした」


 シロと笑っていた所は本心からだと思うし、誰かを避ける様な事もなかった。

 それを聞いたギルドマスターは、安心した笑みを僕に見せていた。


「そうか、それは良かった。今回の事件の内容が内容なだけに、今後もたまに話を聞かせて貰う」

「はい、僕もできるだけ様子を見るように気をつけます」

「うむ、頼むぞ」


 ギルドマスターも僕の言葉にコクリと頷いた。

 そういえば、あの二人の様子はどうなんだろうか?


「ギルドマスター、あの二人は結局どうなりましたか?」

「辺境伯領の兵が連れて行って、取り調べを行う事になったよ。ギルドとしては、一ヶ月のライセンス停止処分が有力かしらね」

「そういえば、あれだけ騒いでいても一応初犯扱いになるんですね」

「一応ね。とはいえ、あのタイプの人間は反省もせずに必ず同じ過ちを繰り返すわ。近いうちにライセンス剥奪になるでしょうね」


 ギルドマスターは、二人が何か事件を起こすと確信していた。

 僕も、あの二人が何か良くない事を起こすと思っている。

 二度と関わりたくない人だな。


「相手が貴族だから、何かあったらシュンでは荷が重いでしょう。もし、何かあったら私に相談してね」

「はい、わざわざ有難う御座いました」


 僕はギルドマスターと別れてギルド内に戻った。

 そこにはスーと頭にアオを乗せたシロが待っていた。


「シュンお兄ちゃん、ギルドマスターとどんなお話をしていたの?」

「薬草採取をしている時のスーの様子を聞いてきたんだよ」

「わざわざすみません。治療も受けて食事も取れたので、だいぶ調子が良くなりました」


 スーはちょっと困った様な表情をしていたが、朝見た時よりも調子は良さそうだ。

 きっと薬草採取が楽しかったのもあるのだろう。

 でも、今日は早めに休ませてあげないとな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ