散歩の二百六十二話 襲撃に向けた対策
かちゃ。
「スーお姉様、お待たせしました」
「フィーナも綺麗に着飾っていますね。とても可愛いわ」
と、ここで綺麗なピンク色のドレスに着替えたフィーナさんが、パールとアオを連れて会場にやってきました。
スーはフィーナさんの服装を褒めているけど、本当のお姫様みたいですね。
アオもシロの所にやってきたので、何をしていたのか聞いてみよう。
「アオはね、辺境伯様と一緒に迎撃の準備をしていたんだって」
「迎撃の準備?」
「それは私が話そう」
辺境伯様もパーティ会場に姿を現し、自ら説明してくれるそうです。
皆で、軽食スペースに座って話をする事になりました。
「捕らえた者の尋問の結果、ほぼパーティを襲撃する事が分かっている。大会での襲撃が不完全に終わったので、直接辺境伯家を襲うそうだ」
「となると、迎撃の準備を行うのですね」
「そうだ。この部屋も必要最小限のテーブルの配置にして、避難スペースを設けている」
辺境伯様の奥様自ら激怒しながら尋問したのだから、この辺の情報は間違いないだろう。
というか、武道大会で魔法使いが消え去ったのだから、もう一回襲撃があってもおかしくない。
「アオはリターンマッチをやる気満々なのだが、同時に我が家の家族も心配していてな。特に赤ん坊と母親の事を気にしておった。そこで、例の魔法障壁を発生する魔導具を急遽アオと共に改良して、避難用のシェルターとしたんだ」
「アオはそんな事までやっていたんですね」
「更には他の魔導具まで改良しておった。これは、万が一実戦になった際に披露する事になるだろう」
辺境伯様とアオが自信満々な顔でいるけど、あくまでもやりすぎないで下さいよ。
「まあ、祝勝会と言いつつアットホームなパーティだ。我々は気楽にしよう」
「そうですわ。形式はある程度とりますが、楽しくやりましょうね」
「「「はーい」」」
僕としても堅苦しいのは嫌だし、性分にもあっていない。
参加者が少ないのもあるので、ワイワイとやりましょうという事になりました。
「妻の準備がもう少しで終わるから、それまで待ってくれ。今日は気合を入れていたぞ」
「大きなお仕事も終わったので、ホッとしているのかもしれませんね」
「ははは、間違いないだろう」
辺境伯夫人様は全試合リングアナという大役を務めたから、僕達もねぎらってあげないと。
こうして、パーティに向けて準備が着々と進んでいきました。
色々懸念はあるけど、先ずは楽しみましょう。




