散歩の二百五十二話 皆で後片付けと武道大会の終了
さてさて、試合は終わったけどまだまだやる事が沢山あります。
会場には多くのオークと四体のオークキングの死体が散乱しているし、会場周辺の施設も一部壊れています。
更には避難する際に転倒するなどで、怪我人も複数発生しています。
ここは分担して対応しましょう。
「辺境伯様、アオがオークとオークキングの血抜きをしつつアイテムボックスに収納する様です」
「そうか、それは助かる。これだけのオークの数だと、我が領の冒険者ギルドでも直ぐには処理できないだろう」
辺境伯様も、アオの提案を快く受け入れてくれた。
というか、既にアオはどんどんとオークの血抜きをしてアイテムボックスに収納しているけどね。
「はい、順番に並んでね」
「直ぐに治療するよ」
救護テントには多くの人が押し掛けていたけど、シロとフランが手際よく列を整理していた。
更には、フィーナさんもパールを手にして怪我人を治療していました。
屋敷の侍従も治療の手伝いをしているので、ここは皆にお任せです。
僕は会場の施設の所に行って、壊れた所の対応に向かいます。
「すみません、僕も手伝います」
「おお、助かる。試合もあと二試合だし、壊れた観客席はそのまま撤去する事になった」
「分かりました」
僕は、守備兵と共に壊れた観客席の撤去を行います。
本当は準決勝と決勝の他に三位決定戦があるんだけど、既に魔法使いは逃走しているし三位決定戦は無くなっているからなあ。
そんな事を思いながら観客席の撤去をしていたら、広場内に放送が入った。
「この後の予定についてお知らせします。シャドウ選手の逃走により、三位決定戦は中止となります。また、準決勝第二試合に参加する二選手の一人が負傷した為、準決勝第二試合も中止とします」
おや?
これはまさかの事態だぞ。
恐らくスーなら殆どの怪我は治せるけど、出血とかもあったんだな。
となると、この後の試合はどうなるのだろうか?
「本部で準優勝第二試合に出場する二名に確認した結果、両名ともアオ選手には勝てないと宣言しました。よってアオ選手を優勝とし、準決勝第二試合に勝ち上がった二名を準優勝扱いとします。なお、二名の賞金は準優勝と三位の賞金を割ったものとします」
「「「おめでとう!」」」
「文句なしだぞ」
「カッコ良かったぞ!」
既にそこまで確認してあるなら、問題無いだろうね。
観客もアオの強さには納得してくれた様です。
アオも、オークの血抜きをしながら観客の声援に触手をふりふりとしていました。
こうして、色々とあった武道大会も何とか終わり、アオの優勝で幕を閉じました。