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散歩の百九十八話 フィーナさんの新たなお友達

 そして皆で冒険者ギルドに戻った時の事だった。

 沢山の薬草採取で換金額もそこそこの金額になって皆喜んでいたとき、急にフィーナさんが声を上げたのだ。


「あ、ポケットの中に小さなスライムが入っていたよ」

「白っぽい小さいスライムですね」


 フィーナさんの上着のポケットに、アオの半分位の小さなスライムが入っていた。

 そういえば、カレーを食べている時に何匹もスライムが現れたっけ。

 フィーナさんの事を気に入ったのかな?

 フィーナさんは両手ですくい上げる様にスライムを見ていて、スライムもフィーナさんを興味深そうに見上げていた。


「フィーナさん、このスライムを鑑定して良いですか?」

「ええ、お願いします」


 フィーナさんの許可も出たので、小さなスライムを鑑定します。

 おお、中々面白い結果が出たぞ。


「このスライムは魔法が使えます。しかも聖属性と雷属性ですね」

「本当ですか?」

「ええ。しかもフィーナさんの友達とも出ていますよ」

「え! 本当ですか! とても嬉しいです」


 僕の話を聞いたフィーナさんが、笑顔でスライムに頬ずりをしました。

 スライムも触手を伸ばして、フィーナさんの事を触っています。


「フィーナ、折角だからこのスライムに名前をつけましょう」

「名前は決めています。白いので、パールちゃんです!」


 もうフィーナさんは喜びが止まらないようです。

 パールと名付けられたスライムも、フルフルと喜んでいました。

 すると、シロの頭の上に乗っていたアオがぴょんとフィーナさんの手の上に乗ってきました。


「なんだかスライム同士でおしゃべりしている感じですね」

「うーんとね、魔法の使い方を教えているんだって」

「そうなんですね。パールちゃん、アオちゃんからしっかり教わるのよ」


 フィーナさんの言葉に、パールとアオは触手をフリフリしています。

 そして更にシロが一言。


「あとね、友達をいじめる奴は徹底的にやっちゃって良いよって言っているよ」

「素晴らしい教えです」

「同感です」


 シロの言葉に、護衛のお姉さんが深く頷いています。

 いや、流石にやりすぎない様にして下さいよ。

 スーも、少し苦笑しています。


 そして僕達は辺境伯様の屋敷に戻りました。


「「「「ただいまー」」」」

「お帰りなさい。あら、可愛らしいスライムね」

「うん、お友達になったパールちゃんっていうの。しかも、魔法も使えるんだよ」

「あら、そうなのね。お友達は大切にしないとね」

「はい!」


 出迎えてくれた辺境伯夫人様も、フィーナさんがパールを連れているのに直ぐに気が付きます。

 そして、直ぐにパールを受け入れています。

 流石は辺境伯夫人様です。

 そして夕食までの間、パールはアオから色々な事を習っていました。

 でもアオさんよ、パールに過激な事を教えるのはほどほどにして下さいね。

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