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散歩の百九十四話 産まれてくる赤ちゃんへの贈り物

 さて、僕達にはもう一つ北の辺境伯様の所でやらないとならない事があります。


「辺境伯様、子爵様よりお産まれになられるお孫様宛に贈り物を預かっております」

「差し出がましいとは思いましたが、私達も贈り物をしたいと購入してまいりました」

「おお、それはわざわざすまんな。有り難く頂こう」


 辺境伯様に贈り物の事を伝えると、笑顔で受け取ってくれる事になった。


「せっかくだから、息子夫婦の部屋に案内するわ。二人に直接渡してね」

「こっちだよ」

「「「はーい」」」


 そして、辺境伯夫人様とフィーナさんの案内で、僕達は辺境伯様の息子夫婦の部屋に向かいました。


 こんこん。


「お兄様、お義姉様、スーお姉様が来られましたわ」

「贈り物を持ってきてくれたそうよ」

「あ、はい。どうぞ」


 部屋の中から入室を許可する女性の声が聞こえたので、僕達は部屋の中に入ります。

 すると、ソファーに男女が座っていました。

 女性のお腹は、とても大きくなっています。

 男女とも、スーの顔を見るとニコリとしていました。


「スー、久しぶりだな。元気そうで何よりだ」

「ありがとうございます。お二人の結婚式以来ですね」

「そうね、確かに私達の結婚式以来ですね。シュンさんもようこそ辺境伯領へ」


 スーもにこやかに二人と会話しています。

 スーは、お二人の結婚式に参加する為に辺境伯領に来たんだ。

 だから、門兵とかとも顔見知りだったんだね。

 そして、僕達もスーと共にソファーに座ります。


「わあ、お腹が大きい!」

「凄いね」

「びっくり」

「もうそろそろ赤ちゃんが産まれるからよ」

「臨月だから、いつ産まれてもおかしくないのよ」

「「「そうなんだ!」」」


 話題はやはり赤ちゃんの事で、もうすぐ産まれるとの事。

 確かに、本当にお腹が大きいよね。


「子爵様より少し早いですが出産祝いを預かっております。差し出がましいですが、我々も出産祝いをお持ちしました」

「それはわざわざすまない。あそこの机の上に出してくれないか?」

「はい、分かりました」

「シロもプレゼントを出すよ」

「フランも」

「ホルンも」


 皆で指定された机の上に贈り物を出します。

 僕とスーは赤ちゃん用の服とオムツセットで、シロ達は可愛らしい刺繍が施されたハンカチタオルだった。

 意外とセンスが良くて、ちょっとびっくりです。


「実用的な物で申し訳ありません」

「良いのよ。寧ろそちらの方が有り難いわ。息子と娘が産まれた時は、使い道に困る物を贈ってきた貴族がいるのよ」

「確かにフィーナの時は、自分で描いた絵画とかを贈ってきた貴族がいたな。辺境伯家との繋がりをアピールしたいのだろうけど、もう少しマトモな物を選んで欲しかった」


 何で自分で描いた絵画を贈ってきた貴族がいたのだろうか?

 とはいえ、貴族の贈り物事情は本当に面倒くさいのだなあ。


「フィーナにもプレゼントを持ってきているわ。後で渡すわね」

「シロも買ったんだよ」

「フランもだよ」

「ホルンも」

「本当に、嬉しいなあ!」


 スーがフィーナさんにもプレゼントがあると伝えると、フィーナさんはスーに抱きついてきました。

 贈り物をして喜ばれるって、良い気持ちになりますね。

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