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散歩の百八十九話 まさかの観光船運休

 昼食後は、皆で湖に移動して観光船に乗る予定です。


「どんな船かな? 大きいかな? 速いかな?」

「「楽しみ!」」


 船初体験のシロ達は、どんな船に乗れるか物凄く楽しみにしています。

 僕も船に乗った記憶が無いので、内心ちょっとだけワクワクしています。


「あ、あれですね」

「おお、大きい!」

「「かっこいい!」」


 桟橋には、想像よりも大きな船が係留されていた。

 確か授業で習ったけど、ガレオン船って言うんじゃないかな。

 スーもそうだけど、シロ達は大きな船を見て物凄く興奮しています。

 しかし僕が気になったのは、桟橋で僕達と同じ観光客が大勢待っている事だ。

 一体何があったのかな?

 僕達も桟橋に近づいていきます。

 すると、何やら立て看板が立ててあった。


「何々? 観光船は定期メンテナンスの為に、明後日まで運休です。という事は、観光船に乗れないのか」

「うーん、これはタイミングが悪いですね」

「「「えー! そんなー!」」」


 これは、かなりタイミングが悪かったなあ。

 メンテナンスでは、どうしようもないぞ。

 この結果に、シロ達はかなりがっかりしています。

 心なしか、スーも残念な表情です。

 何とか代替案を考えないと。

 すると、もう一つの桟橋に船がとまっているのが見えた。

 もしかして、この船に乗れるのかな?

 船頭さんっぽい人がいるから聞いてみよう。

 僕達は、もう一つの桟橋に移動します。


「すみません、この船に乗る事は出来ますか?」

「おお、できるぞ。この船は、観光用の手漕ぎ船だ」

「「「のるー!」」」


 ちょうど観光用の手漕ぎ船だったらしいので、シロ達も乗りたいとアピールしていた。

 せっかくだから、この船に乗ろう。

 僕達は、船を借りる手続きをして早速乗り込む事にした。

 船は思ったよりも大きかったので、五人乗ってもへっちゃらです。


「じゃあ、出発するぞ」

「動いたよ」

「進んでるよ」

「すごーい」

「はしゃいで船から落ちるなよ」

「「「はーい」」」


 僕が船を漕ぎ出すと、シロ達は船の前方に集まってはしゃいでいた。

 最近はホルンも明るくなってきたので、本当に何よりです。


「風が気持ちいいですね」

「湖の上なので少し冷たいけど、心地よいですね」


 スーも、髪をかき分けながら心地よい風を感じていた。

 暑くもなく寒くもなく丁度良い気候なので、本当に気持ちいいなあ。


 ぽちゃん。


「あ、何か跳ねたよ」

「魚かな?」

「何かな?」


 水面を何かが跳ねたので、シロ達は興味深そうに前方を見ていた。

 こういう体験は、シロ達にとっても良い事だよね。

 すると、シロが僕に話しかけてきた。


「お兄ちゃん、シロも船を漕いで良い?」

「良いけど、他の人も乗る船だからゆっくり漕いでね」

「そうね。周りに他の船もあるから、ぶつかったら大変よ」

「はーい」


 僕はシロとポジションを交換して、シロがかじを持った。

 スーの言う通り、観光船に乗れなかった客が手漕ぎ船に乗って湖にくり出していた。

 事故があってはならないので、シロもスーの指摘を素直に聞いていた。


「おお、進んだよ。凄いすごーい!」

「次はフランがやりたいよ」

「うーん、フランは小さいからまだ漕げないね」

「えー」


 シロが船を漕ぎ出すとフランもやりたいと言いだしたが、手足がポジションに届かないからどうしょうもない。

 こればっかりは諦めてもらわないと。

 観光船に乗れなくて一時はどうなるかと思ったけど、手漕ぎ船に乗る事ができて結果オーライですね。

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