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散歩の百八十二話 子爵との面会

 コンコン。


「失礼します。お館様が参られました」

「あっ、はい」


 流石にシロ達にお菓子を食べすぎるなと注意しながら顔を拭いていたら、ここの領主様がやってくるという。

 僕達は、立ち上がって領主様が入ってくるのを待った。


「やあ、待たせたね」

「急におしかけて申し訳ありません」

「いやいや、全く問題ないよ。さあ、座ってくれ」

「はい、失礼します」


 爽やかなイケメンが、颯爽と部屋に入ってきた。

 うん、第一印象だけでもあのヤクザみたいな男爵と全く違うぞ。

 でも、誰かに似ている様な気がするなあ。


「あ、辺境伯様に似ているよ」

「「本当だ」」

「こらこら、勝手に話さないの」

「いやいや、大丈夫だ。それに私と東の辺境伯様とは親戚にあたるので、たまに似ていると言われるのだよ」


 シロ達を咎めながらもう一回領主様を見ると、確かに東の辺境伯様に似ている。

 親戚であるだけの事はあるぞ。

 領主様も席に座ったので、話し合いを始める事に。


「実は辺境伯様より、この領地にシュン達が寄るだろうと手紙が来ていたんだよ」

「そうだったんですね。わざわざ申し訳ないです」

「いやいや、追加で情報を頂いた時はびっくりしたけどな。男爵領で色々あったらしいな」

「ええ! その情報も知っているのですか?」

「領主は情報を集めるのも仕事の内さ」


 さらりと言っているけど、まだ数日前に隣の領地で起きた事まで知っているとは。

 領主としても優秀な人なんだ。


「前からあの男爵は怪しかったのだけど、シュン達のお陰で奴の尻尾を掴む事ができた。辺境伯領より男爵領へ軍が到着したそうだよ」

「辺境伯様の軍が男爵領に、ですか?」

「辺境伯には、地方の貴族の不正に対応する捜査権が与えられているのだよ。男爵領の兵が不正の証拠を押さえているし、男爵は確実に捕縛されるだろう」


 あの男爵もとうとう年貢の納め時か。

 しかし、辺境伯様も情報収集能力と行動力が凄いなあ。

 すると、領主様がスーの方を向いてニヤリとしてきた。


「宿に押し入った強盗の捕縛に、どうも女性の冒険者が大活躍したと聞いたぞ。一人は完全に不能になったらしい」

「あう……」

「「「??」」」


 領主様の話を聞いたスーは、思わず顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 何が不能になったとは言っていないが、絶対にスーの膝蹴りが急所に直撃した奴だろうな。

 真っ赤になったスーをシロ達が不思議そうに見ているけど、あなた達にはまだまだ早い事だから気にしなくていいですよ。

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