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散歩の百七十四話 強盗とグルになっていた兵

 トントントン。


「あ、アオが帰ってきたよ」


 僕が全ての強盗を縛り終えたタイミングで、兵の所に向かっていたアオが帰ってきた様だ。

 いち早くアオの存在に気がついたシロが、窓を開けてアオを室内に入れた。


「おお、もう直ぐ兵隊さんがやってくるって」

「そうか、それは良かった。早くコイツらを連れて行って貰いたいな」


 アオのお陰で、ようやくコイツラとおさらばできる。

 そう思うと、少し気が楽になったぞ。


「「うみゅ……」」

「ほら、フランとホルンは寝てなさいね」

「「うん……」」


 スーは、再びコックリコックリとしているフランとホルンを寝かしつけていた。

 そして、フランとホルンがモゾモゾとベッドに入った瞬間だった。


 ドン。


「ここか? 宿の従業員を縛り上げて籠城している奴がいる所は!」


 突然半開きのドアを開けて、大声で室内に兵が入ってきた。

 えっ、何だこいつは?

 アオの方を見ると、知らないとふるふるしていた。


「おーおー、派手にやりやがったなあ。こりゃ大罪になるぜ」

「あの、僕達が被害者なんですけど」

「うるせえ、ここでは俺が法律なんだぞ。まあ、上納金を納めたら見逃してやらん事もないがな」

 

 あっ、こいつは強盗とグルになっている兵だな。

 ニヤニヤしながら、金をくれれば全てなかった事にすると言いやがった。

 僕も流石に頭にきて、兵に一歩踏み出した時だった。


「お、素直なのが一番」

「「悪者うるさい!」」


 ダッ、ボキボキ。


「ぐえー」


 ザー。


 僕の横から兵の大声で起きてしまったフランとホルンが、兵目掛けてドロップキックをブチかましていた。

 フランとホルンのドロップキックは兵の土手っ腹に命中し、数本骨の折れる音がしながら部屋を滑っていった。

 フランとホルンは相当不機嫌ながらも、一応相手が悪人だと判断しているようだ。


「あっ、あが」

「「ふん」」


 そして、ピクピクしている兵を他所にして、フランとホルンはベッドに潜り込んでいた。

 二度も寝る所を起こされれば、そりゃ不機嫌になるわな。

 とりあえず、この馬鹿も拘束して軽く回復魔法をかけておこう。


 ドタドタ。


「すみません、遅くなりました。行方不明になっている兵がいたので」

「あっ、何でここにコイツがいるんだ?」


 程なくして、数人の兵が室内に入ってきた。

 アオの方を見るとこくんと頷いていたから、この兵がアオが呼んできた兵なのか。

 そして、勤務中に姿をくらませていた兵がここで大騒ぎしていたと。

 そりゃ、後からやってきた兵も驚くだろうな。

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