表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ化】異世界のんびり散歩旅  作者: 藤なごみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

169/1127

散歩の百六十九話 怪しい服装の男

 という事で、僕達は男爵領にある高級宿に到着しました。


「「「はあー」」」

「完全に場違いな程の高級感だなあ」

「そうですね……」


 周りの建物から完全に浮いている、豪華な建物が目の前にどーんとそびえ立っています。

 南の辺境伯領や東の辺境伯領でも見た事のないレベルの宿だぞ。

 この時点で、皆一致して見るからにこの宿は怪しいと感じています。


「さて、何が出てくるかな」

「流石に入り口から変な物は出ないと思いますが」


 意を決して、僕達は高級宿に入ります。

 まるで森に入って魔物を倒す気分だぞ。


 カランカラン。


「はい、いらっしゃいませ。五名ですか?」

「「「「「……」」」」」


 宿に入ってカウンターにいた男性を見て、二度目のびっくりです。

 如何にも詐欺師ですって言っているような、趣味の悪いスーツに豪華なメガネをかけています。

 思わず、僕達全員が男を見て固まってしまいました。


「あの、お客様?」

「ああ、大人二人の子ども三人で部屋をお願いします」

「畏まりました。前金でお支払頂けますか?」

「はい、分かりました。こちらでお願いします」

「ニヤリ、ありがとうございます」


 おっと、僕が宿泊代を前金で払うと、カウンターの男が思わずニヤリとしたぞ。

 どう見ても、この男はかなり怪しいな。

 スーもシロ達も、かなり怪しんでいるぞ。


「それではお部屋にご案内します」

「はい」


 そして、カウンターにいた男が僕達を部屋に案内した。

 いつもは元気よく返事をするシロ達も、今日は誰も返事をせず僕だけ挨拶を返しています。


「お部屋はこちらになります。夕食のご用意が出来ましたら、お呼びしますので」

「はい、分かりました」


 そして、僕達はとても豪華な部屋に案内されました。

 男がニコニコしながら部屋のドアを閉じるまで、僕とスーは愛想笑いを続けていました。


 バタン。

 トントントン。


「ふう、何だかとても疲れたよ」

「でも、まだ誰かに聞かれている可能性があるから、小さい声で話しましょうね」

「「「はーい」」」


 足音が遠ざかってから、僕達は小さい声で話し始めます。

 部屋の中には怪しい魔導具はなさそうだけど、気をつけないといけないぞ。

 スーも、シロ達に向けてしーっと指を口に当てて静かにするように伝えていた。


「先ず、この宿自体が怪しいですね」

「そうですね。それに、宿の規模に対して従業員の数も少なすぎます」

「あの男から変な臭いがしたよ」

「悪者だよ、悪者!」

「怪しいです」


 全員の意見が一致した瞬間だった。

 シロ達が黙っているのも、この宿が怪しい証拠です。

 あと、フランよ。

 もう少し声を小さくしなさい。


「とりあえず、少し様子見をしよう。怪しいとハッキリと分かったら、兵の詰所に通報しようか」

「それが良いですね。先ずは様子見ですね」


 という事で、かなり怪しい宿から何が出てくるのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ