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散歩の百六十五話 最初の村に到着

 ガラガラガラガラ。


「「はやいはやーい!」」

「危ないから、馬車から身を乗り出すなよ」

「「はーい」」


 フランとホルンは、馬車の最前列に座って流れる景色を眺めています。

 念の為に、僕が二人を抱っこして危険が無いようにしています。

 フランとホルンは既に馬車には数回乗っているけど、毎回馬の速さに驚いているなあ。


「このお菓子、とっても美味しいんだよ」

「ありがとうね、少しだけ貰うね」


 シロとスーは、一緒に乗車しているご老人のご夫婦に購入したお菓子を分けています。

 ニコニコしながら、色々な話をしています。


「ねえ、この後はどうするの?」

「二日間馬車に乗って、三日目に男爵領に着くよ。その間は、小さな村に宿泊するよ」

「そうなんだ」


 僕は、膝の上から見上げてくるフランとホルンに道中の道のりを教えます。

 先ずは、北の辺境伯領への道中にある男爵領に向かいます。

 辺境伯領内の村に二泊する予定で、小さいながらも宿があるそうです。

 辺境伯領内は兵の巡回もきっちりと行われているので、とても安全らしいです。

 問題は、男爵領に入ってからになります。

 南の辺境伯領から東の辺境伯領に向かっていた最中も、盗賊騒ぎだったりと危険もあったからなあ。

 今回は小さいフランとホルンもいるから、僕達も十分に気をつけないと。

 そんな事を考えながら、僕達は昼食を食べる村に到着しました。

 街道沿いにある村なのでそこそこ規模は大きく、しっかりとした食堂もありました。


「「「おいしー!」」」

「そうかい、いっぱい食べな」


 食堂ではいくつかメニューがあり、僕達は日替わりのお薦めを注文します。

 出てきたのは焼肉セットで、シロ達は美味しそうに食べています。


「おかみさん、この先で何か事件とか起きていませんか?」

「うーん、辺境伯領は安全だけど、男爵領から先で盗賊が出たって話がありましたよ」

「ありがとうございます。僕達も十分気をつけます」


 ついでだから食堂のおかみさんに道中の情報を聞いたけど、またもや盗賊がいると教えてくれた。

 うーん、辺境伯領を抜けたら気をつけないといけないなあ。

 昼食も終わったので、旅は出発します。


「「くー、くー」」

「おやおや、眠ってしまったかい」

「はい。はしゃいでいましたから、疲れたのでしょう」


 昼食後、フランとホルンは僕にもたれながらすやすやと寝てしまいました。

 おばあさんに頭を撫でられても、起きる事なくぐっすりと寝ています。

 シロとスーもうつらうつらとしているので、このまま寝てしまうだろう。

 今日はお天気も良いし、暑くもなく寒くもなくちょうど良い気温です。

 お昼寝するには、とっても良い状況です。

 道中も危険は無いようで、本当にのんびりと馬車は進んでいきます。

 そして夕方前には、目的地となる村に到着します。

 僕達は宿に向かって、宿泊の手続きをします。


「一部屋に二段ベッドが一つ置いてあります」

「じゃあ、シロはシュンお兄ちゃんと一緒に寝る!」

「フランはスーと寝る!」

「ホルンもスーお姉ちゃんと一緒!」

「あらあら、仲が良いわね」


 宿のおかみさんの話を聞いた瞬間、シロ達が誰と一緒に寝るかを決めていた。

 いつも誰かと一緒に寝ているからなあ。

 おかみさんも、フランとホルンのやり取りに目を細めています。

 素泊まりなので、夕食は出来合いの物で済ませます。

 こうして、北の辺境伯領への一日目は終了です。

 フランとホルンは初めての本格的な旅なので、直ぐにすやすやと寝てしまいました。

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