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散歩の百四十一話 初心者冒険者と薬草採取 実践編

 目的地の森に着いたけど、僕達はまだ昼食を食べていないので昼食の準備をします。

 アイテムボックスの中に仕舞っておいたカレーとご飯を取り出して、温めて食べるだけですけどね。


「こ、これが辺境伯様も食べたという料理ですか?」

「凄く良い匂いがします」

「シュンお兄ちゃんの料理は美味しいよ!」

「カレー以外も美味しいんだよ」

「でも、やっぱりカレーも美味しいよ」


 僕が魔導コンロで鍋に入っているカレーをマヤさんとセラさんが興味深そうに見てきます。

 シロとアオとフランとホルンがとても美味しい物だと言っているので、マヤさんとセラさんもカレーの味に期待している様です。

 そんな僕達の事を、スーはにこやかに見ていました。


「美味しい!」

「こんなに美味しい料理は初めてです」


 そして、マヤさんとセラさんにもカレーはとても好評でした。

 良かった良かった。


 食後はいよいよ薬草採取です。


「ふふーん、薬草採取はシロにお任せなんだよ!」


 自慢の鼻で薬草の臭いを嗅ぎ分けるシロがかなり張り切っていた。

 のだが、一足先に薬草を集めていたものがいた。


「あ、アオが薬草を採ってきたって」

「へえ、これが薬草なんだ」

「何やら臭いがしますね」

「それに、葉の裏側に細かい毛が生えてますね」


 そう、アオが薬草を採ってきたのだ。

 前回の薬草採取の時も、アオは大量に薬草を採ったもんな。

 薬草採取初心者の皆さんは、アオが採ってきた薬草をしげしげと眺めていた。


「あー! シロが薬草採ってきたかったのに!」

「「あはは……」」


 アオに出し抜けをくらったシロは、かなり悔しそうな表情をしていた。

 そんなシロの姿を見て僕もスーも苦笑するしかないが、折角なので僕が少し補足しよう。


「薬草は種類にもよるけど、基本は葉だけ採ります。茎や根を残すと、そこから葉が再生します。後は十枚葉を集めたら、専用の紐でくくります」

「後処理がし易い様に、丁寧に葉を採りましょう。後は森の入口とはいえ何か出てくるかもしれませんので、常に警戒をしておきましょうね」

「「はい!」」


 僕に加えてスーも説明をしてくれたので、ここからは本格的に薬草採取を始めます。


「改めて、シロが皆に薬草のある場所を教えるね」


 アオに良いところを取られたシロが、今度は張り切って薬草採取初心者の皆さんに薬草がはえている場所を教え始めました。

 皆が薬草採取を頑張る様なので、僕とスーで周囲の警戒にあたります。


「薬草の臭いが何となく分かった!」

「私も分かったかも」


 ドラゴニュートであるフランと獣人とのハーフであるマヤさんは鼻も良いみたいです。

 シロと同じく、薬草の臭いを頼りに採取に励んでいます。


「葉の形が、他の草と違うよ」

「そうですね。これなら私達にも薬草を探せます」


 ホルンとセラさんも、葉の形を見分けながら薬草採取をしています。

 シロよりもアオの方が皆に薬草採取のやり方を教えているけど、皆もキチンと薬草を採れているので問題は無いようだ。

 

「沢山採れましたね」

「もう籠がいっぱいです」


 二時間も頑張れば、持ってきた籠がいっぱいになった。

 マヤさんもセラさんも、初めての薬草採取の結果にご満悦だ。

 

「凄いね、いっぱいだよ」

「楽しかった」


 フランとホルンも、沢山の薬草を採ることができて嬉しそうだ。

 薬草採取は、採り方が分かれば誰でも出来るからなあ。

 そしてギルドに着いて、薬草の換金額を見たマヤさんとセラさんがびっくりしていた。


「え! 薬草採取って、こんなに稼げるのですか?」

「もっと安い金額だと思っていました」

「量が集まれば、薬草でも金額は上がるぞ。前回にいちゃんとねえちゃん達が沢山薬草を採ったが、既に半月以上経っているからなあ」


 ギルドの買取所でギルド職員のおっちゃんが言っているけど、薬草は常に需要がある。

 単価が安くても量で補えば、必然と取引金額は高くなるのだ。

 

「楽しかったね!」

「うん、楽しかった」


 フランとホルンも、初めての薬草採取を無事に終えてご満悦だ。

 こうして、初心者冒険者達の初めての薬草採取は無事に終了です。

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