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散歩の百三十九話 フランとホルンの初心者向け講座 実戦編

 座学の後は実戦形式の訓練なので、全員でギルドの闘技場に移動します。

 全員が移動し終わった所で、リリアナさんから説明があります。


「この後は実戦形式の講習に入ります。今回魔法使いタイプが多いので、シュンさんとスーさんには魔法使いの人を見てもらいましょう」

「「分かりました」」


 今回の講習参加者は三十人なのだが、魔法が使える人が十人いた。

 身体強化を使う人もいるけど、基本は同じなのでそのまま僕達が面倒をみます。


「シロはどうするの?」

「シロちゃんは、私と一緒に格闘系の人とやってみましょう」

「分かった!」


 シロは格闘タイプだし、リリアナさんと共に組み手の相手をするようです。

 そしてここで残念なお知らせが。


「フランちゃんとホルンちゃんはこの前の本当の実戦で二人の実力を見たから、今日は皆の見学ね」

「えー!」

「はい」


 悪魔召喚の時にフランとホルンは色々と戦っていて、リリアナさんもあの場にいた。

 なので、リリアナさんはフランとホルンの力をだいたい把握している。

 実戦訓練が出来なくてフランは不満そうだったけど、ホルンはちょっとホッとしていた。


「もう少し基礎の魔力循環を訓練して上手く魔力を操れる様になれば、魔法の威力も上がりますよ」

「慌てないで、相手の動きを良く見ましょう。相手は止まっている事は少ないですよ」


 僕とスーはリリアナさんの許可を得て、聖魔法の玉を空中に浮かべてそれを魔法使いの人に狙って貰った。

 止まっている的には当てる事ができるけど、動く的には中々当てる事が出来なかった。

 僕とスーは、相手の動きを予測する事を魔法使いの人に伝えておいた。

 因みに身体強化タイプの人は基本の魔力循環が上手くできていなかったので、日々の訓練方法から教える事になった。


「力任せは駄目だって」

「もっとフェイントも使ってだよ」


 一方のシロの所には、リングサイドにアオを抱いたフランとホルンの姿があった。

 シロは直感で物事を話すので、アオが冒険者に対してアドバイスをする事になった。

 しかしアオはスライムなので、フランとホルンが通訳して伝えていた。

 というか、フランとホルンはいつの間にかアオと意思疎通が出来るようになったのか。


「動きにフェイントなどを入れると良いですよ。良い動きですが、次の動作がとても読みやすいです」


 流石というか、リリアナさんは的確なアドバイスを冒険者にしていた。

 冒険者も男女問わずリリアナさんのアドバイスに耳を傾けていた。

 流石はギルドマスター補佐なだけあるな。


「おっと、全員終わっちゃったよ」

「じゃあ、フランとやろう!」

「ホルンは、アオと一緒にやる」


 ちょうどシロの相手がいなくなったので、暇を持て余していたフランとホルンがシロの所に向かっていった。


「とやー!」

「えい!」

「もっと動いて良いよ」


 見た感じ、三人と一匹がやっているのは朝の訓練レベルで特に変わった所はない。

 僕もスーも魔法使いの相手が終わったので、リリアナさんの所に向かって行った。


「おいおい、ちびっ子が凄い勢いで動いているぞ」

「スライムがとてつもない動きをしている」

「シロちゃんは、俺達の時は手加減して動いていたのか」


 シロとアオと比較するとフランとホルンの身体強化はまだまだなんだけど、それでも新人冒険者にとっては三人と一匹の動きはかなりの速さの様だ。


「おやおや。シロちゃん達の速さに驚いている様ですが、まだまだ精度は低いですよ。皆さんももっと上達できますから、これからも頑張って下さいね」

「「「はい!」」」


 最終的には、リリアナさんが上手く締めて初心者向け講習は終了です。

 僕も講習の手伝いをして、かなりためになったなあ。

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