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散歩の百三十八話 フランとホルンの初心者向け講習 座学編

 先ずは座学からスタートですが、リリアナさんが皆に話している内容は南の辺境伯領で僕が初心者向け講習を受けた内容と同じだ。

 因みに、全員キチンと冒険者の手引を持っています。


「冒険者は、皆さんが思っているよりも楽な仕事ではありません。依頼失敗となれば報酬を得ることはできませんし、時には怪我をして命を落とす事もあります」


 リリアナさんがかなりリアルな話をし始めたので、新人冒険者は真剣に耳を傾けています。


「簡単な冒険であっても、準備を怠らない事が大切です。準備をするしないで、依頼達成率に大きな影響が出てきます。また、他の冒険者にアドバイスを求めるのもおかしい事ではありません。自分勝手な判断をする方がとても危ないでしょう」


 リリアナさんは、あえて失敗する時のリスクも混ぜて話をしている。

 この辺りは流石はギルドマスター補佐って感じだ。


「では、ここで質問を受け付けましょう」


 座学が終わったので、質問タイムとなった。

 すると、見た目は屈強なスキンヘッドの冒険者がリリアナさんに質問してきた。


「ギルドマスター補佐が一番苦労した依頼は何ですか?」

「間違いなく、とある貴族の護衛任務についた時ですね」


 お、僕もリリアナさんが一番苦労した依頼には興味があるぞ。

 でも、何で貴族の護衛任務が一番大変だったのだろうか?

 すると、突然リリアナさんがぶつぶつと独り言を喋りだした。


「あの豚貴族が。ことある度にセクハラしやがって。寝室の中の護衛ってなんだよ。次会ったら、股間にあるものを握りつぶしてやる」

「わーわーわー。リリアナさん落ち着いて、現実に戻って!」

「リリアナさん、もう終わった事ですよ」

「あら、久々に豚の事を思い出してしまったわ。おほほ、ごめんなさいね」

「「「??」」」


 危ない危ない、リリアナさんがダークサイドに落ちる所だった。

 シロとフランとホルンは何が起きたか分からなかったけど、僕とスーは急いでリリアナさんを止めに行った。

 リリアナさんは、よっぽどその貴族に嫌な思いをさせられたんだな。

 流石に屈強なスキンヘッドも、これ以上リリアナさんに質問はしなかった。


「じゃ、じゃあ別の質問を。シュンさんとスーさんは、最初から同じパーティメンバーだったんですか?」


 急いで別の若い男の冒険者が、僕に別の質問をしてきた。

 僕もそっちの質問に答える様にしよう。

 と思ったら、シロが質問に答え始めた。


「最初はシロとシュンお兄ちゃんとアオだったんだよ。スーお姉ちゃんは別のパーティにいたけど、スーお姉ちゃんだけ一緒になったんだよ。それで、フランちゃんとホルンちゃんが一緒になったの!」


 シロの説明はざっくりとした内容だから、ここは僕が補足しよう。

 

「スーは別のパーティにいたけど、そのパーティメンバーがトラブルを起こして解散したんだ。それで、スーが僕達のパーティに入ったんだ」

「パーティメンバーが最初から変わらないというのは、私の経験上でもほぼありません。シュンさんとスーさんの様に、別のパーティが解散して合流するというのは良くある事です」


 リリアナさんが更に補足してくれたけど、ずっとパーティメンバーが変わらないのはないらしい。

 僕達のパーティも、今後新しい人が増えるのかな?

 その後も質問がいくつかあって、座学は終了です。

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