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散歩の百二十二話 教会へ突入

 結局、十分もかからずに百人以上いたならず者は全て倒された。


「なんだい、弱すぎて手応えがねえな」

「見てくれだけで、てんで弱いね」

「あはは……」


 捕縛されて次々と運ばれるならず者を、実行委員長と実行委員長の奥さんがボロくそに評価していた。

 商店街の人々も、ならず者の手応えが無さすぎてつまらなそうな表情をしていた。

 辺境伯領の兵にならず者の拘束を任せつつ、僕達は全開の扉から教会に突入します。

 教会に突入すると、教会内には豪華な司祭服を着た細身の老人とローブを着て深目にフードを被った性別不明の数人に、三十人程のならず者が武器を構えていた。

 更には、拘束をされているならず者が十人程床に座らされていた。

 聖騎士の偉い人は、司祭に向けて怒号を上げていた。


「司祭様、街の人を蔑ろにした上にならず者を集めるというこの暴挙は一体何ですか!」

「黙れ。たかが聖騎士如きが、崇高なる神の使いである儂に指図するな!」


 聖騎士の偉い人の怒号に対し、努めて冷静にしかし怒気を孕んだ声で司祭が言葉を返してきた。

 一連のやり取りを聞いた辺境伯様が、冷静な声で改めて司祭に問いかけた。


「司祭に問う。一連の行動は何が目的なのか?」

「簡単な事だ。力を得るためだ。あらゆる物を支配する力をな」

「なに?」


 辺境伯様の質問に司祭がニヤリとしながら答えると、司祭がおもむろに手を上げた。

 すると、司祭の後ろに控えていたローブを着た人物が司祭の合図に従って呪文の様な文言を唱え始めた。

 

「がっ、く、苦しい……」

「おが、がく……」


 すると、拘束されて床に転がっているならず者が突然苦しみ始めた。

 目の前で起きている奇妙な現象を見て、聖騎士の偉い人が慌てて聖騎士に指示を出した。


「不味い、司祭は何かを起こす気だ。一斉に魔法を放て」

「シュン達も魔法を放ってくれ。教会内の損壊は気にしなくていい」

「わ、分かりました」


 辺境伯様も聖騎士の偉い人の言葉に何か気がついた様で、僕達にも魔法攻撃を指示してきた。


「「「えーい!」」」


 ズドドドーン、ズドドドーン。


「くそ、何かに魔法が阻まれているぞ」

「こりゃ、攻撃が効いていないな」


 僕達は司祭達に向けて一斉に魔法を放つが、何かに防がれて攻撃が届いていなかった。

 魔法攻撃を止めると辺りには埃が舞っていたが、視界が良くなると何故魔法が司祭達に届かなかったのかが分かった。


「ふふふ、そう焦るな。これからが良いところなのだよ」

「ぐっ、広範囲に魔法障壁を張っていたのか」

「こう見えても、魔法の扱いには少し自信があるのでな」


 司祭が広範囲に魔法障壁を張っていて、僕達の魔法を防いでいたのだ。

 試しに何人かの聖騎士が司祭目掛けて短剣を投げつけても、魔法攻撃と同じく魔法障壁によって弾かれてしまった。

 司祭は余程儀式を邪魔されたくないのか、かなり強力な魔法障壁を展開していた。

 これでは、こちらは司祭達に手を出せないぞ。

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