散歩の千百八十八話 トマト料理と不審な動き
炊き出しの仕込みをしていて、少し気になった事があった。
「シスターさん、トマトを沢山使うんですね」
「この一帯では、トマトがよく採れます。ですので、炊き出しにもよく使われるんです」
ふむふむ、トマト料理が聖教皇国の名産なんだ。
ナスとかも使っているし、野菜たっぷりのスープになりそうだ。
「チッ」
「はいはい、後でニンジンと葉っぱをあげますよ」
「キッ」
スラちゃんとこの教会にいる動物との話を終えたシマちゃんが、僕の肩の上であれこれ欲しいとアピールしていました。
あくまでも、シマちゃんは僕たちにしか懐いていないみたいですね。
アオも王妃様の護衛兼治療班に戻っており、スライムが治療していると大人気だった。
「あっ、悪い人を見つけたよ!」
「ヒヒーン!」
「グッ……」
とにかく大変なのが、シロと馬たちの遊撃班だった。
次から次へと犯罪者を捕まえており、対応している聖騎士も大忙しだった。
中には偵察に来たと思わしきゲス枢機卿一派もおり、勿論厳しい尋問をする為に連れて行かれた。
「うむ、これは中々美味いのう」
「王妃様、ありがとうございます。皆さんの協力のお陰です」
王妃様は、またまた炊き出しをもしゃもしゃと食べながらスカーレット枢機卿様とにこやかに話をしていました。
炊き出しで提供された食事を偉い人が食べる事で、苦楽を共にするという意味があるそうです。
王妃様の場合は、いつも普通に僕の作った炊き出しを食べていた気がするけど。
こんな感じで奉仕活動が進んでいたのだけど、開始から一時間も経たずにこんな情報がザンギエフ様からもたらされたのです。
「スカーレット枢機卿様、王妃様、捕まえたゲス枢機卿一派を尋問した結果、手段までは不明でしたが奉仕活動で何かをしようと企んでいる様です」
「想定できる内容ですね。警備強化は勿論の事、市内巡回の強化と聖教皇猊下の護衛も増やして下さい」
「畏まりました、直ぐに対応します」
僕もチラッと話を聞いたけど、確かにスカーレット枢機卿様の様に予想できたことだった。
遊撃班はそのまま動いてもらい、僕たちも警戒を強めよう。
僕も魔力が少し回復したから、時々探索魔法で周囲の確認をしよう。
こうして、更に奉仕活動は進んでいったのでした。




