散歩の千百七十八話 ゲス枢機卿の屋敷前を通ります
聖騎士団総出で控室の調べをすることになり、教会内はかなり騒然としていました。
聖教皇猊下をはじめとする高位聖職者が刺された上に、魔獣化の薬や催眠香が大量に見つかったからです。
徹底的に浄化をしたので全部使用不可になったけど、これだけの魔獣化の薬が使われたら大変な事になります。
そして、気になった事があります。
「ザンギエフ様、他の教会やゲス枢機卿の屋敷などはどうなっていますか?」
「聖都内の全教会に聖騎士を派遣したいのだが、圧倒的に人出が足りない。ゲス枢機卿の屋敷も監視を行っているが、何というか禍々しい状態になっていて、我々も中に突入出来ないでいる」
教会はともかくとして、その禍々しい屋敷はどうすればいいのでしょうか。
ものすごい難題になっています。
すると、町の巡回に行っていたシロとアオが戻ってきました。
「すっごい屋敷があったよ! どろどろーってしていたの。アオの全力浄化魔法でも全然駄目だったんだよ。アオが鑑定したら、ゲス枢機卿の屋敷って出たって」
うん、まさに今話をしていたところですね。
アオの浄化魔法でも全く太刀打ちできないって、一体どうなっているのでしょうか。
すると、この人が動いたのです。
「どうせ、これから聖騎士団の施設に向かうのじゃ。その、ゲス枢機卿の屋敷とやらを拝みに行こうではないか」
なんとも王妃様らしい発言ですね。
確かにそろそろ移動する時間だし、敵の本拠地を知るのも大事ですね。
ということで、みんなで馬車に乗り込んでゲス枢機卿の屋敷に向かう事にしました。
どよーん。
「うわあ、これは……」
「禍々しい気配が漂っています……」
何というか、悪の塊が存在している屋敷です。
うん、これは誰も近寄りたくないですね……
探索魔法を使うと、確かに人の反応が複数ありました。
屋敷の中に、誰かがいるのは間違いないですね。
すると、王妃様がこんな事を提案したのです。
「無駄と分かっておっても、ある程度はやらないとならぬ。浄化魔法が使える全員で、出来るだけ浄化をするのじゃ」
あまり魔力が残っていないけど、やるだけやっておかないと。
僕たちは、馬車内からゲス枢機卿の屋敷に向かって浄化魔法を放った。
シュイン、ぴかー!
「な、なんじゃこりゃ!? ゼリーどころか、鋼鉄の抵抗を感じるよ!」
「うう、これは凄く大変です……」
結局、僕たち全力での浄化魔法は全くもって歯が立たなかった。
うん、これは大変な事になりそうだ。
そう思いながら、僕たちを乗せた馬車は聖騎士団の施設へと向かいました。




