散歩の千百七十三話 緊急事態発生です
そして、大聖堂に入ると異様な光景が広がっていたのです。
何と、人々の目が虚ろになっていて、ふらふらと歩いていたのです。
しかも、町の人全てがある聖職者の話を聞いていました。
大聖堂の中は異質な空気に包まれていて、お香の様なものが漂っていました。
「ザンギエフ様、王妃様、一気に浄化……」
「ふふふ、させるものか!」
ガキン!
すると、一人の司祭と思わしき聖職者が浄化魔法を放とうとした僕に短刀で斬りかかってきたのです。
魔獣化もしていないのに、この動きは中々です。
ガキン、ガキン!
「魔獣化の薬などに頼らなくとも、私は十分に強いのでね。崇高なるゲス枢機卿様の為に、ここで死んで……」
「邪魔じゃ」
ドスッ、ボキボキ!
「ぐはぁ!」
ズサー。
ゲス枢機卿一派の司祭が何だかペラペラと勝手に喋っていたところに、王妃様が身体能力強化魔法で一気に近づいて蹴り飛ばした。
うん、王妃様のヤクザキックをモロに脇腹に受けて思いっきり吹き飛びましたね。
ゲス枢機卿一派司祭から嫌な音がしたけど、治療は拘束してからです。
ちなみに、普通の聖騎士位の実力はありそうでした。
それなりに強いけど、そこまで強いって感じじゃないですね。
ではでは、改めて大聖堂の中を浄化しないと。
「スー、いくよ!」
「シュンさん、いつでも大丈夫です!」
僕は、既に魔力を溜めていたスーのところに駆け寄りました。
そして、背中合わせで一気に魔力を解放します。
シュイン、シュイン、ぴかー!
シュゴゴゴゴ……
僕とスーの浄化魔法で、嫌なお香みたいな物に覆われていた空気が一気に浄化されていきます。
更に、ついでと言わんばかりにホルンやヴィヴィなどが状態異常解除魔法を放っていきました。
「「「「「うがぁー!」」」」」
何故か、少し離れた所で苦しんでいる聖職者がいたけど、特に気にしなくていいですね。
ふう、これで完了です。
「おお、清浄なる空間に戻ったぞ」
「流石は、シュン殿とスー殿だ」
聖騎士も、僕たちの浄化魔法に度肝を抜かれていました。
町の人も、急に覚醒したみたいでキョロキョロと辺りを見回していますね。
「いーなー、夫婦の共同魔法を使うなんて」
「こんな所でも、二人はラブラブなのね」
スーの幼馴染であるケーシーさんとテルマさんが何か言っているけど、特に気にしないでいいですね。
そして、ザンギエフ様達が襲ってきた司祭を拘束しながらあることを叫んでいたのです。
「もうそろそろ夕方のミサの時間なのに、聖教皇猊下がおられないぞ!」
「高位聖職者もいない、いったい何処にいるんだ?」
どうやら、今度は人探しをしないといけないみたいですね。
僕たちも、手分けして探す事にしました。




