散歩の千百六十二話 問題のある町へ
その日泊まった町の教会は、本当に何にもありませんでした。
二人ほどアオが聖職者を捕まえたけど、罪状は横領で人神教とは無関係でした。
もちろん、横領は横領で問題なんだけどね。
孤児院の子どもたちにお好み焼きもどきを作ってあげたら、とっても大好評でした。
目の前で焼いて切り分けてみんなで食べるのが、とっても楽しかったみたいです。
夜も普通に寝ていて、また孤児院の子どもたちが僕のベッドの中に潜り込んでいました。
こうして町の教会を出発して、いよいよゲス枢機卿一派が主力の町へ向かいます。
「「「「「カキカキカキ」」」」」
ちびっ子たちは、幌馬車内に設置したコタツで勉強中です。
実はさっきジェフちゃんと通信用魔導具でお話していて、ジェフちゃんが勉強を頑張ったと言っていたのです。
なので、みんなもやる気になっていました。
特にジェフちゃんのライバルであるホルンは、負けないよと張り切っています。
シャーリーさんとリアーナさんが教師役をしてくれているけど、中々良い感じだそうです。
「子どもたちが真面目に勉強していて、本当に何よりじゃ」
王妃様も、勉強を頑張っているちびっ子たちにとっても満足していました。
なによりも、大人しくしているのが一番みたいです。
そして、僕とアオが広範囲探索魔法を使って馬車の周囲の確認をしていた。
今のところ順調だったのだけど、昼食を食べていよいよ町に入ると状況が一変した。
シュイン、ズドドドドドーン。
「「「「「うぎゃー!」」」」」
アオと馬が魔法を放ったのは何回もあったけど、叫び声が聞こえたのは初めてな気がします。
馬車も止まったので何かなと思ったら、何と盗賊っぽい集団が纏めてノックアウトされていました。
ひょいひょい。
「あのね、アオがゲス枢機卿一派の盗賊を倒したんだって」
「うむ、よくやった。護送用の馬車に乗せて運ぶのじゃ」
シロの通訳を聞いた王妃様が、アオにすぐさま命令を出しました。
アオは王妃様に敬礼した後、アイテムボックスから空の馬車を取り出しました。
実は、何かあるのではと警戒していて檻をつけるなどの改造をしていました。
シュイン、ウイーン。
ゲス枢機卿の関係者は完全にのびていたので、アオは念動で護送用の馬車に乗せました。
もちろん既に聖騎士によって縄で拘束されているので、意識を取り戻しても暴れることは不可能です。
幌馬車に連結すれば完了ですね。
こうして、僕たちは何事もなかったかの様に進み始めました。
そして、いよいよ町の教会へと近づいていったのです。




