散歩の千百三十七話 王都から来たまさかの人
こうして、王都から軍が到着するまでの間、僕たちは交代で町の人のために色々と動いていました。
薬草採取講習は、何回もやっているので全く失敗することなく行うことができました。
シロとアオがとても張り切っていて、予想以上に沢山の薬草採取ができました。
新人冒険者向け講習と料理講習の他にも荷物運び講習や清掃講習などを行っていて、実際に依頼を受けて実演したりもしていました。
孤児院の子どもたちも講習に参加して、町の人たちにもとても喜ばれたと思います。
パカパカパカ。
「あっ、見えたよ!」
そして、遂に王都からやってきた軍の一行が屋敷からも見えてきました。
責任者を乗せた馬車も見えてきたけど、予想以上に豪華な馬車だよ。
うん、何だか予想以上にとんでもない人が乗っていそうな気がする……
そして、屋敷の玄関の前で待っている僕たちの前に馬車が止まりました。
ガチャ。
「ふう、久々の馬車旅も良いものじゃ」
「お母様、お疲れ様です」
なんと、馬車から降りてきたのは王都にいるはずの王妃様だったのです。
エミリア様は普通に出迎えているけど、スーは知らなかったのかかなりびっくりしていますね。
ギュッ。
「わあ、おばーさまだ!」
「うむ、ケントも元気そうじゃのう」
「うん、とっても元気だよ!」
そっか、ケントちゃんや赤ちゃんのマイクちゃんにとって、王妃様は実の祖母にあたるもんね。
抱きついてきたケントちゃんの頭を、王妃様も優しく撫でます。
そして、僕は王妃様と一緒に降りてきた軍の幹部に話を聞きました。
「トーリー様、一体どうなっているんですか?」
「その辺も含めて、まとめて話すとしよう」
何やら、重大なことがあるみたいですね。
長旅で疲れているはずなので、応接室に移動することになりました。
「「あうー」」
「ふふ、可愛いのう。エミリアの小さい頃を、思い出すのじゃ」
応接室に移動すると、王妃様はマイクちゃんとランちゃんの二人の赤ちゃんを抱っこしてかなり上機嫌です。
赤ちゃんも、素直に抱っこされていますね。
「お義母様、辺境伯領まで来られて一体どうしたのですか?」
スーは、赤ちゃんを抱く王妃様から至極当然の疑問を投げかけたのです。
すると、王妃様からとんでもない回答が返ってきたのです。
「妾も、スーたちと一緒に聖教皇国に行くことにしたのじゃ。ふふふ、我が国の領土まで言及するとはのう……」
王妃様、何だか悪者みたいな笑い方ですよ。
というか、王妃様まで僕たちと一緒に聖教皇国に行くってどういうこと?




