散歩の千百二十三話 ホルンの座学講習です
では、早速座学を始めましょう。
すると、アオが先ほど黒板に書いた内容を消して新たに文字を書き始めた。
カキカキカキ。
「では、説明をするホルンです。宜しくお願いします」
その間に、ホルンが周りの人にペコリと頭を下げた。
殆どの新人冒険者はホルンに挨拶をしたが、悪態をついたオオカミ獣人二人はまだ生意気な態度を取っていた。
「アオが書いてくれたけど、冒険者は自己責任の仕事ではありません。冒険者も一つの職業です。依頼者、冒険者ギルドの職員など多くの人が関わります。それに、人に会うのだから礼儀作法も必要です。自信があるのと慇懃無礼は別物です」
フランとアオは、いきなり生意気な態度のオオカミ獣人に絡めた注意をした。
でも、これって当たり前のことなんだよね。
「自分にあった依頼を受け、そして準備を怠らないことが大切です。上級冒険者ほど、上手に情報分析をします。慣れないうちは、冒険者ギルドのお姉さんに色々と教えてもらいましょう」
この辺りも、基本中の基本です。
僕も、今でも分からないことがあれば冒険者ギルドに聞くもんね。
殆どの新人冒険者は、真剣に話を聞いていました。
「「ぐー、ぐー」」
そして、オオカミ獣人はいつの間にか寝始めた。
面倒くさいのでこのまま寝かせてもいいのだけど、アオは二人を寝かせるという選択は取らなかった。
シュイン、チクッ。
「「いてー!」」
アオは寝ている二人のお尻を、風魔法で作った針で少しだけ刺した。
お尻を押さえながら叫んでいるオオカミ獣人だが、周囲の視線は冷ややかだった。
「どうかしましたか?」
「「ちっ、なんでもねーよ」」
オオカミ獣人は、ホルンに指摘されてバツが悪くなったようだ。
そっぽを向いたまま、再び席に着いた。
「依頼先にも迷惑をかけてはいけません。仮に仕事をしていて、職場の人に迷惑をかけないのと一緒ですね。時間を守る、身だしなみにも気をつけるなど、人として当たり前のことを守りましょう」
その後も、ホルンはアオと話す内容を確認しながら座学を進めます。
とても良いことを言っていて、ヴィヴィやトリアさんも一緒に話を聞いていました。
冒険者登録時にもらえる冊子には書いていない、基本だけど大切な内容です。
新人冒険者たちも、真剣に話を聞いていました。
一方、尊大な態度をとるオオカミ獣人は、寝ようとするとアオの魔法の針でお尻を突き刺されていました。
でも、そろそろアオが魔法を使っていることに気が付かないとね。




