散歩の千百二十話 色々な事情が発覚しました
暫くして、先代様と項垂れている人相の悪い人族が個室から出てきました。
そして、人相の悪い人族はそのまま兵に連れて行かれます。
ただ、事情を聴くだけなので拘束はされません。
「どうやら、人神教の関係者は冒険者ギルドの初心者向け講習で態度の悪かった冒険者に劣化版魔獣化の薬を売り渡していたみたいだ。ベテラン冒険者なら警戒されるが、初心者冒険者なら警戒心は薄いと思ったみたいだな」
警戒心の薄いものにつけ込むのが犯罪の基本なので、確かに間違いではないのだろう。
逆にいうと、劣化版魔獣化の薬を受け取ったものは絞れるってことですね。
「それで、冒険者ギルド内で喧嘩になってあの虎獣人が人族が持っていた劣化版魔獣化の薬を奪って飲んだらしい。後は、知っての通りだ」
人神教の関係者が劣化版魔獣化の薬を人族に渡した直後だったので、直ぐに人族の関係者も捕まえることができた。
そして、人族はとんでもない薬だと知った上に目の前で虎獣人が瀕死状態になったので怖くなったという。
これを期に、反省して真っ当な冒険者生活を送ってもらいたいものだ。
「あと、さっきエミリア様が冒険者ギルドに来て、その辺境伯様とギルドマスターと共に地下室に……」
「そうか、分かった。まあ、何となく想像はついているが、喋れる程度に済ます様に注意をしておこう」
そう言うと、先代様は地下へと向かっていった。
そして、十分後に辺境伯様が体は傷一つないけど服はボロボロの人神教の関係者を肩に担いできた。
「厳重に監視を付けて、牢屋にぶち込むように」
「「「「「はっ」」」」」
兵は、人神教の関係者を担架に乗せて縄でくくりつけて運んでいった。
そして、ギルドマスターと先代様が話しながら姿を現した。
エミリア様も出てきたのだけど、返り血が更についていたので僕は直ぐに生活魔法でエミリア様の服を綺麗にした。
「シュン、ありがとうね。ふう、少し冷静にならないといけないわ」
エミリア様も、深呼吸をして気持ちを整えていた。
そして、エミリア様は僕にある指示を出した。
「明日、シュンは冒険者ギルドの初心者向け講習をしてくれるかしら。他にも怪しいものがいそうなので、警戒しないといけないのよ。スーは、私と婦人会に出る予定よ」
明日は、みんなで手分けして人神教への対応を進めることになった。
もちろん、町の巡回も進めて不審者を捕まえます。
この辺りは、明日改めて話をした方がいいですね。




