散歩の千百十二話 今日の報告です
「「「「「ありがとー」」」」」
孤児院から来た子どもたちに挨拶し、僕たちは辺境伯家の屋敷に戻ります。
みんな、今日もいい感じにできましたね。
「おかえりー!」
「「「「「ただいまー!」」」」」
屋敷に戻ると、町の巡回をしていたシロが僕たちを出迎えてきました。
どうやら、一足先に屋敷に戻ってきたみたいですね。
ちびっ子たちは、昨日に引き続きみんなでお風呂に入りにいきました。
年長組は、応接室に集まって話をすることになりました。
「今日は、シロも大人だよ!」
まだまだ子どものシロだけど、巡回の報告もあるみたいですね。
応接室に移動して、休憩を兼ねて話をします。
「奉仕活動はとても良かったと、町の人からも評判よ。特に、炊き出しが良かったと聞いていたわ」
エミリア様は、今日も奉仕活動は良かったと褒めてくれます。
確かに町の人の反応も良かったし、大きなトラブルもなにもなかった。
「エミリア様、初心者冒険者と孤児院の子どもの件は知っていましたね」
「孤児院の子どもの件は知っていたわ。一緒にやりたいと、張り切っていたのよ。初心者冒険者に関しては、本当に偶然ね」
初心者冒険者は、本当にたまたま奉仕活動を手伝うという依頼を受けたんだ。
このくらいなら、僕たちも全然問題ありません。
何よりも、みんなやる気満々だったもんね。
「聴取の方は、特にトラブルなく終わったわ。どうやら、あの人神教の関係者は西の辺境伯領を混乱させるために派遣されたそうよ。王都経由で抗議もしているわ、内政干渉ってね」
エミリア様、その笑みはちょっと怖いですよ。
辺境伯領は、少しのトラブルでどうこうすることはないけどね。
因みに、辺境伯様は急いで仕事を終わらせて兵の詰所に来たらしいけど、残念ながら奉仕活動の際に捕まえた小物しか残っていなかったそうです。
「でも、シロちゃんが巡回で捕まえた不審者の中に人神教関係者がいたわ。新たな情報は得られなかったけど、まだ何かをする可能性はありそうね」
「シロ、頑張ったんだよ!」
国境の警備は厳重にしているから、そう簡単に不審者が入ることはできない。
西の辺境伯領に残っている残存部隊だけで、何かをするのは難しいでしょうね。
「明日は、巡回以外は孤児院に行ってあげてね。完成した孤児院を見て欲しいそうよ」
この案に、みんなも満面の笑みで頷いていました。
完成した孤児院はチラッとしか見えていないし、教会の内装も綺麗になったみたいね。
話し合いはこれで終わり、僕たちも順次お風呂に入ります。
そして、今日はケントちゃんがスーと一緒に寝ると張り切っていました。




