散歩の千百十話 可愛らしいお手伝い
「私たちは、それなりに冒険者として活動していましたわ。新人冒険者を教育することも、全く大丈夫ですわよ」
「すげー! 王女様なのにBランク冒険者だ!」
スーが冒険者カードを見せると、虎獣人の男の子が物凄く興奮した。
全員がスーよりも年下で、シロよりも年上だった。
サッ。
「す、スライムが冒険者!? しかも、Bランクだわ……」
猫獣人の女の子は、アオがアイテムボックスから取り出した冒険者カードを見てかなり驚いていた。
普通は、スライムが冒険者になるなんて思わないよね。
フランたちも新人冒険者に自分の冒険者カードを見せていた中、ちょっと予想外のことが起きてしまったのだ。
「えっ、シュンさんも冒険者なんですか? 俺、てっきり料理人だと……」
「「「「「ブハハハハ!」」」」」
どうやら、熊獣人の男の子は僕の二つ名もあってか、本当に間違えていたみたいだ。
とはいえ、護衛の兵や冒険者だけでなく、町の人も大笑いするのは酷いですよ。
でも、最近冒険者らしいことをしていないのは事実なんだよなあ……
何はともあれ、新人冒険者が僕たちをみているのだから頑張らないと。
「あっ、悪者発見!」
「ブルル」
フランたちも、とても元気に活動していた。
ノア君と若馬のコンビも中々で、次々と犯罪者を捕まえていた。
馬に乗っているから安全は確保されているし、今日も王都での奉仕活動よりも犯罪者は少なかった。
そんな中、可愛らしいお手伝いさんが教会に姿を現したのだ。
「「「「「こんにちはー!」」」」」
「みんな、いらっしゃい」
僕たちが修理に携わった孤児院の子どもたちが、折角なのでと手伝いに来てくれたのです。
これには、治療などに訪れた町の人も思わずニッコリとしています。
回復魔法が使える子はスーのところに、そして、後は炊き出しのスープを配る係りになりました。
「どーぞー!」
「坊や、ありがとうね」
多くの人が見守る中、孤児院の子どもたちは張り切ってお手伝いしてくれました。
中々良い感じに頑張っていて、町の人だけでなく護衛の兵や冒険者も微笑ましく見ていました。
「あら、新しいお手伝いさんが来ているのね」
「お姉様!」
お昼前になると、エミリア様が教会に姿を現しました。
新人冒険者や孤児院の子どもたちの頑張りに、思わずニンマリとしていました。
そんな中、僕はちょっと疑問があった。
「エミリア様、辺境伯様はどうしたんですか?」
「ああ、あの人は屋敷で仕事をしているわ。もちろん監視付きでね。頑張って仕事を終えたら、尋問を代わって良いことになっているのよ」
流石エミリア様、辺境伯様に美味しいエサを見せながら仕事をさせていたのか。
辺境伯様も、能力は悪くないんだから、普通にやれば良いんだけどね。




