散歩の千八十九話 みんなコタツでぬくぬくです
旅は順調にスタートし、みんなもリラックスモードに入っています。
というか、コタツでぬくぬくしたいのでシロたちに勉強を教えるという名目で、みんな休憩時に幌馬車に移動していた。
「えーっと、これがあれで……」
「「「「「「かきかき、ペラペラ」」」」」」
シロたちも真面目に勉強しているのだけど、これは聖教皇国に行っている間にジェフちゃんたちに抜かされないようにしているためです。
やる気があるのはとても良いことですね。
その影響からなのか、馬車の御者は僕、アヤ、アイだった。
アヤとアイはリアーナさんの侍従でもあるグリムワールさんとエアリスさんと交代することになっているが、うちの馬なので御者がいなくても何も問題なかった。
僕とアオで若馬の御者をしていて、こちらは暫くは御者必須だ。
というか、みんなコタツのある幌馬車にいて貴族用の馬車に誰も乗っていないよ。
「寒いのもあってか、魔物の数もとても少ないですね」
「新年の挨拶などで多くの貴族が王都に来られましたので、その際に街道の害獣駆除をしております」
ちょうど軍の護衛の中に顔見知りの人がいたので、あれこれ話を聞いています。
そういえば、まだ新年が明けてそんなに経っていないんだっけ。
うちの馬とアオがいれば移動しながらでも害獣駆除はできるし、何かあっても大丈夫です。
それに、僕も常に広範囲探索魔法で周囲の様子を伺っています。
「このお菓子が美味しいんですよね」
「王都で話題のお菓子ですよね。行列必至の美味しさらしいです」
そして、幌馬車内では勉強が終わって女性陣がお菓子について熱い論議を交わしていた。
スーたちは、それぞれお菓子を購入して持ち寄っていた。
スーも、普通に町にお菓子を買いに行っていたもんなあ。
「うーん、シュンの作るお菓子の方が美味しいよ!」
「フランちゃん、シュンさんの作るお菓子は別枠ですよ」
「でも、美味しいのは間違いないよ」
どうやら、ちびっ子たちは僕の作るお菓子の方が美味しいみたいですね。
とはいえ、僕もお菓子をいつも作ることはできないので、たまにしかお菓子を作れません。
屋敷の料理人が作るお菓子も、とても美味しいんだよね。




