散歩の千八十八話 いよいよ聖教皇国に行く日です
そして、遂に僕たちが聖教皇国に向かう日になった。
朝から準備を整えつつ、屋敷の人たちに挨拶をします。
「ガイちゃん、ブレアちゃん、行ってくるわね」
「「あい!」」
スーが挨拶をすると、ガイちゃんとブレアちゃんはニコニコしながらハイタッチしてきた。
ガイちゃんとブレアちゃんは、僕たちがいつものお仕事に行ってくると思っているみたいだ。
しばしのお別れになるのがとっても辛いけど、こればかりはしょうがないですね。
「リルムちゃんも、行ってくるねー!」
「あう?」
シロがリルムちゃんに挨拶をするが、まだまだ小さい赤ちゃんのリルムちゃんは何が何だか分からないみたいですね。
きっと、再会する時には首が座っているはずです。
「ワイアット、後を頼みます」
「畏まりました。スーザン様も皆さまも、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
僕たちも、馬車に乗って先ずは屋敷から王城に向かうことに。
ここで、他の人たちと合流します。
「あー、間違いなくガイちゃんとブレアちゃんは淋しくなるでしょうね」
「再会した時は、号泣しながら抱きついてきそうね」
応接室で話すケーシーさんとテルマさんの予想に、シャーリーさんとリアーナさんも苦笑しながら頷いていました。
なんというか、その光景が簡単に想像出来ますね。
「僕はね、ガイちゃんとブレアちゃんと遊んであげるんだ!」
「「「「「遊ぶよ!」」」」」
ジェフちゃんたちは、お兄ちゃんお姉ちゃんとして頑張ってくれるみたいですね。
特に、二人と年齢が近いレンちゃんはとても張り切っていました。
「スーが保護した子どもになっておるから、妾も二人の様子を見ておくとしようぞ」
「その、お義母様申し訳ありません」
「なに、何も問題はないのじゃ。それに、二人はマリアとも仲が良いのでな」
なんというか、過保護な人たちがドンドンと増えて行っています。
間違いなく、ガンドフ様とかもガイちゃんとブレアちゃんを気にしそうですね。
「お父様、教皇猊下、確かに書状を受け取りました」
「うむ、しっかりやるのだぞ」
「馬鹿なものがおったら、遠慮なく懲らしめてよいぞ」
実は、一番重要な現聖教皇猊下への書状を受け取らなければならなかったんだけど、みんなと話をしながらあっさりと終わっちゃいました。
うん、気にしないことにしよう。
ということで、早速時間なので王城前に移動します。
「では、お父様、お義母様、お兄様、行って参ります」
「「「「「いってきまーす!」」」」」
「「「「「いってらっしゃーい!」」」」」
みんなの見送りを受けながら、僕たちを乗せた馬車は王城前を出発しました。
ここからは、護衛を受けながら西の辺境伯領へ向かいます。




