散歩の千八十三話 カーリーちゃんがお兄ちゃんになりました
安息日のある日、僕とスーの通信用魔導具に連絡が入った。
それは、ガンドフ様からの連絡だった。
珍しいなと思いつつ、通信用魔導具をとる。
「どうやら、カーリーちゃんのお母さんが産気づいたらしいね。アオやスーに、念の為に向かってくれとあるね」
「「「「「一緒に行くー!」」」」」
僕の話を聞いて、ちびっ子たちが一斉に手を挙げていた。
みんな、赤ちゃんが生まれるのを楽しみにしていたもんなあ。
全員朝食を食べ終えているし、ハンブルク男爵家の屋敷のある場所はアオとうちの馬が知っているという。
ということで、全員直ぐに支度をしてハンブルク男爵家に向かった。
「「うーん?」」
「みんないなくなったね」
「「あい」」
僕はと言うと、ガイちゃんとブレアちゃんの子守をしていた。
ルーシーさんだけではリルムちゃんの子育てが大変だろうと、ベリアさんや他の使用人も手伝っているという。
更に、またまた赤ちゃんオオカミまでリルムちゃんのところに行っています。
使用人同士、仲が良くてとても良いことです。
「じゃあ、今日は絵本を読んであげるね」
「「あい!」」
ということで、僕たちは暖かいサンルームに移動してのんびり絵本を楽しみます。
ガイちゃんとブレアちゃんも絵本はとても好きなんだけど、まだ絵本に描かれている絵が好きなんだよね。
言葉遊びかるたとかで遊べるようになるのは、もう少し先です。
「まあ、みんなが帰ってくるのは夕方になるだろうし、暫くゆっくりしましょうね」
「「あうあう」」
絵本に飽きた幼児二人と共に、今度は庭を歩いています。
ベリアさんも合流して、のんびりと庭を散策しています。
「チチッ」
「「とりー!」」
幼児二人は、手をつなぎながら枝にとまっている鳥を指さしていました。
だいぶ言葉も話せるようになってきて、二人で色々なものを指差しながら喋っています。
赤ちゃんから幼児にランクアップしても、成長は早いですね。
こうして日中ゆっくりと過ごしていき、夕方になったタイミングでした。
僕の通信用魔導具に、連絡が入りました。
「スーからだ。無事に、女の子が生まれたんだね」
カーリーちゃんも含めて、ちびっ子たちは赤ちゃんが産まれて大喜びしているそうです。
安産だったらしく、殆ど治療も不要だったそうです。
何にせよ、これでホッと一安心ですね。
スーたちも、夕食前までには屋敷に戻るそうです。




