散歩の千八十一話 至急の話とみんなの新しいお友達
さっそく、ガンドフ様が至急の話の説明をしてくれました。
「話と言うのは、ゲス枢機卿に絡んで捕縛した者になります。取り調べの結果、ゲス枢機卿は人神教の元締めの可能性が高くなっております。そして、シュンとスーが聖教皇国に行く際、かなりの妨害工作を企てているということです」
「聖教皇国に人神教の元締めがいるという噂は前々からあったが、ある意味噂が正当化されたという訳か。とはいえ、シュンたちなら余程のことがない限り妨害工作を撃退するだろう」
僕たちは、もう間もなく聖教皇国に行くことになっています。
そう考えると、確かに至急の話ですね。
王太子様曰く、人神教は以前より別の宗教を隠れ蓑にして勢力拡大をしていたらしいです。
そういえば、東の辺境伯領で捕まった聖職者は、かなりの地位のものだったよね。
人族至上主義を掲げているので、ある意味宗教的なものもあるでしょう。
極端な考え方をする人たちにとって、人神教は都合の良い宗教なのですね。
「聖教皇を決める選挙で人神教が盛大に何かをすると分かれば、僕たちも動きやすいです。エミリア様みたいな武神が現れるのなら、また話は別ですけど」
「今のシュンなら、エミリアと良い勝負ができるだろう。何にせよ、十分に注意をすることだ」
王太子様、ニヤリとしながら言わないで下さい。
今の僕でも、エミリア様には勝てない自信しかありませんよ。
ガンドフ様も、思わず苦笑していました。
「この話は、先ほど一緒だったアオとスーにも軽く話をしている。二人とも、やるだけやれば良いと言っていたぞ」
王太子様は、付け加えた様に話をしていた。
もっとも、うちの馬が全部の襲撃を撃退しそうな気がします。
「そうそう、ハンブルク男爵の息子の面接も伝えておこう。全く問題ないと判断した。たまたまだが父上も面接に参加し、親子共々精進するようにと上機嫌だった」
おお、まさかの陛下付きの面接だったとは。
とはいえ、王家公認でジェフちゃんの近習が決定したんだね。
コンコン、ガチャ。
「お兄様、失礼します」
「カーリーちゃん、連れて来たよー!」
「「「「「来たよー!」」」」」
「し、失礼します……」
そして、ハンブルク男爵家の男の子ことカーリー君をスーとジェフちゃんが執務室に連れてきました。
スー曰く、今日は午前中時間があるのでちびっ子たちを連れて王城内を案内しているそうです。
ジェフちゃんも他の子も、新しいお友達ができてとっても良い笑顔ですね。




