散歩千八十話 男の子の面接と良くない事態?
翌日、王城についてフランたちを勉強部屋に送ると、そこにはワクワクが止まらないジェフちゃんの姿がありました。
「昨日の男の子とお友達になるんだ!」
「「「「「お友達になる!」」」」」
ジェフちゃんに続いて、直ぐに他の子も声をあげました。
この分だと、騎士団の人の息子はほぼジェフちゃんちゃんたちのお友達になるのが確定的ですね。
既にシロとアオも王妃様と王太子様が行っている面接に同行していて、アオも多分大丈夫って表情をしていました。
僕は、面接に行っている王太子様の分の仕事も頑張らないとね。
ジェフちゃんたちも、今日は勉強を頑張るぞと張り切っていました。
そんな元気いっぱいな子どもたちと別れて、僕は王太子様の執務室に向かいました。
ガチャ。
「あれ? ガンドフ様」
「失礼する」
暫く仕事をしていたら、王太子様ではなくガンドフ様が部下を引き連れながら王太子様の執務室に入ってきた。
もしかして部下の面接の件かなと思ったら、全く別件だという。
取り敢えず、応接セットに座ってもらった。
「全く、こちらを気にせずに面接を申し込めばいいものだ。行き帰りの送りなどは、最悪シュンたちに頼むこともできる」
「あはは……」
ガンドフ様の場合、色々なことにチャレンジするのを推奨しているという。
新しい技術を研究したり、資格を取ることもオッケーだという。
今回のジェフちゃんの近習に子どもや弟などを推薦することも、そのうちの一つということです。
「さっきスーにも会ったが、もしタイミングが合えばスーも出産に立ち会うと言っているぞ」
「その時は、ホルンとヴィヴィも一緒に行こうと言い出しそうです」
「ははは、小さいが二人とも優秀な治癒師だ。きっと手伝うと言うだろう」
本人の知らない所で、色々な対策が進められています。
優秀だけでなくとても人柄の良い人だから、何かあれば手伝ってあげたくなるんだろうね。
因みに、騎士団は産後の体制フォローもバッチリだし、心配ありません。
ガンドフ様の孫のケインちゃんが生まれた時も、色々な対応をしていたもんね。
ガチャ。
「戻った」
「「「お帰りなさいませ」」」
ガンドフ様と十分ほど話をしていたら、王太子様が執務室に戻ってきた。
王太子様は、ガンドフ様が執務室にいるのは聞いていたみたいですね。
「お忙しいところ、お手数おかけいたします」
ガンドフ様と部下は、立ち上がって王太子様に敬礼していました。
「いや、事は急を要する。シュンも一緒に聞くといい」
どうやら、あまり良くないことみたいですね。
王太子様がソファーに座ってから、僕とガンドフ様は改めてソファーに座りました。




