散歩の千七十八話 お手伝いをしている男の子
こうして、奉仕活動自体は無事に終わりました。
僕たちは、いつも通りに後片付けを行います。
リアーナさんやいつも奉仕活動を手伝ってくれる貴族令嬢も、普通に後片付けをしていました。
パカパカパカ。
しかし、新顔の大半は王妃様への挨拶をするやいなや直ぐに馬車に乗って帰ってしまったのです。
一人だけ残っているけど、これじゃあ逆に印象を悪くするだけだよ。
「子どもは親の指示で動いているだけかもしれぬが、それでもこれは良くないのじゃ。帰ったものは全て記録しておるので、直ぐに調査させるとしよう」
あーあ、王妃様もすっかりお冠です。
間違いなく、親のやっていますよアピールの為に子どもが使われたんですね。
僕だけでなく、スーもそのことに気が付きました。
「うんしょ、うんしょ」
残っているのは、ジェフちゃんと同じくらいの男の子です。
初顔の令嬢は誰もいないのに、使い終わったお椀を頑張って集めていますね。
一生懸命頑張っている人のところには、この子たちも直ぐに動きます。
「僕たちも手伝うよ!」
「「「「「手伝う!」」」」」
「わあっ!?」
男の子のところに、ジェフちゃんたちが駆け付けました。
目の前にいきなり王子様が現れて、男の子もとてもビックリしていました。
でも、仲良くお片付けしていますね。
この様子に、王妃様も満足そうに見ていました。
「あれ? どこに行ったのかな……」
すると、教会の中でキョロキョロと何かを探している人がいました。
あれ?
あの人は僕も知っている人だよ。
「あの、どうしたんですか?」
「あっ、シュンさん、お疲れ様です。実は、息子を探していまして……」
僕が話しかけたのは、軍から騎士団に派遣されて色々と教えていた人でした。
とても頑張って勉強して、ガンドフ様も褒めていました。
多分あの子だろうと思って、僕は子どもたちのいる一団を指差しました。
すると、騎士団の人は一気に顔が真っ青になってしまったのです。
うん、間違いなくあの男の子は騎士団の人の子ですね。
すると、騎士団の人は猛ダッシュで王妃様のところに行き、臣下の礼を取ったのです。
「お、王妃様、王国軍騎士団所属のハンブルク男爵です。む、息子が申し訳ありません」
「おお、騎士団所属じゃったか。そなたの息子は、何も悪いことはしておらん。寧ろ、よくやっておるぞ」
王妃様も、満足そうに返事をしていました。
話を聞くと、なんと炊き出しには参加しておらず、たまたま普通に大教会を訪れていたそうです。
奥さんが妊娠していて、男の子と一緒に安産祈願に来たそうです。
そして、男の子は炊き出しの片付けをしているのを見て、自ら手伝っていたようですね。
でも、お父さんの隣を離れる時は、一言言わないとね。




