散歩の千七十三話 無事に各所の治療が完了です
シャーリーさんと一緒に目的の貴族家に行くと、どの貴族家でも同じ光景が繰り広げられていました。
「す、スーザン王女様!?」
門番が、スーの存在を知ってとんでもなく驚くことです。
スーもキチンとしたドレスを着ているので、直ぐに王女様だと分かります。
貴族家に入っても同じ光景が繰り広げられていて、対応した貴族家の人たちは啞然としたりぽかーんとしていました。
「ありがたいことに、こうして元気になることができました」
「うん、良かったよ。シャーリー様が笑顔になられて……」
もう一つが、元気になったシャーリーさんを見て、治療対象の人が感涙していたことです。
老若男女関係なく喜んでもらえているのを見ると、如何にシャーリーさんが一生懸命治療していたかが分かります。
教会内のゴタゴタは嫌だけど、シャーリーさんは別という思いみたいですね。
そして、ここでちょっとした提案をしました。
「知っているかもしれませんが、僕たちは聖教皇国に行くことになっています。もし継続して治療が必要でしたら、その間は僕たちの知り合いを紹介します」
「わざわざありがとうございます。検討させて頂きます」
小さい子どもなどは当面大丈夫なんだけど、年配の方は加齢から病気になっているので今回治療してもまた悪くなる可能性があります。
ガード君やミラちゃんなら、治療の腕も確かだし身分もしっかりとしています。
それに、ミラちゃんは教会関係者だけど騒動とは関係ないもんね。
少なくとも一カ月以上は聖教皇国にいる予定だし、その間の治療体制は考えておいた方がいいですね。
こうして、無事に全ての貴族家への治療を終えることができました。
「皆さま、私のことを本当に良く思ってくれていたんですね。とても感動しております」
「それは、シャーリーさんが一生懸命治療したからですよ。きっと、シャーリーさんの熱意が相手に伝わったのですね」
シャーリーさんは、父親の引き起こした事件を思いつつ、それでも自分を気遣ってくれた人たちを嬉しく思っていました。
少なくとも王都内の教会の体制はまともになったし、今後は治療なども問題なく行われるはずです。
もうそろそろ聖教皇国に行くから、教会側でも対応をどうするか動いてくれることになりました。
「じゃあ、今日の依頼は終わりだよ。シャーリーさんを大教会に送って、屋敷に戻るよ」
「「「「「はーい」」」」」
今日はちびっ子たちの出番はあまりなかったけど、それでも良い経験になったはずです。
みんな、帰ったら幼児と赤ちゃんと遊ぶつもりみたいですね。




