散歩の千七十話 新年一発目の依頼です
今日は新年一発目の安息日で、屋敷のみんなと冒険者活動をしようということになりました。
ガード君とレンちゃんは、祖父のホーネット男爵の屋敷にいるそうです。
嫡男夫人のお腹も大きくなってきたので、早く赤ちゃんが産まれないかと楽しみにしているそうです。
ということで、馬車に乗って冒険者ギルドに出発です。
「わあ、色々な依頼があるよ!」
「「「「「本当だね」」」」」
シロを始めとした面々は、依頼書がたくさん貼られている掲示板に興味津々です。
でも、流石に害獣駆除などの危ない依頼は受けられません。
薬草採取も、他の初心者冒険者が張り切って行っているそうです。
僕たちが薬草採取講習の講師をした受講生が、とても頑張っているんですね。
すると、受付にいたスーが僕たちを手招きしました。
どうやら、何か特別な依頼があったみたいですね。
さっそく、受付のお姉さんに話を聞いてみましょう。
「依頼内容は、貴族家からの治療依頼です。症状があまり良くなく、自力では教会に治療に行くことができないそうです」
ふむふむ、ここまでは普通の治療依頼ですね。
出張治療は、たまに行っているので問題ありません。
しかし、この治療依頼にはある条件がつけられていました。
「実は、信頼の出来る人ということで貴族関係者を指名しています。更に、腕の良さを保証するためにCランク以上の冒険者ランクを希望しています」
えーっと、僕たち以外で貴族関係者で尚且つCランク以上でしかも治癒師って王都にいるのかな。
この条件だと教会関係者も全滅な気がしますが、実は過去に教会関係者に治療を受けて良くならなかったそうです。
しかも、この依頼が数件あるそうです。
念の為に問題ない貴族家かを通信用魔導具で王城に問い合わせたけど、全部問題のない貴族家でした。
「シュンさん、問題ないようでしたらこの依頼を受けたいのですが……」
スーも、病気に苦しんでいる人を救ってあげたいのですね。
ということで、今日はこの特殊な治療の依頼を受けることにしました。
念の為に、相手に失礼がないように一旦屋敷に帰ってみんなそれなりの服に着替えます。
「馬車を、幌馬車から通常の馬車に変更します」
「残念ながら、コタツは使用できません」
「「「「「「あっ!?」」」」」」
アヤとアイの話を聞いて、ちびっ子たちはそうだったとガックリしていました。
僕的には、アヤとアイもコタツが使えなくてがっかりしているように見えますよ。




