散歩の千六十九話 勉強部屋をちょっと改造です
ジェフちゃんたちの次の新しいお友達が決まるのはもう少し先らしく、その間ちびっ子たちはいつも通り勉強しています。
ミラちゃんはシロとジョディーさんに次ぐ年上なので、早くもお姉ちゃんとしてジェフちゃんたちの面倒も見ているそうです。
シロとアオは面接がなければ軍と共に町の巡回を続けているし、ミラちゃんの存在はとてもありがたかったです。
「「うにゅ?」」
「か、可愛いです!」
今日の王城の勉強部屋には、ガイちゃんとブレアちゃんの姿がありました。
赤ちゃんが好きなのか、朝一番に王城で会ったミラちゃんは直ぐに幼児二人の虜になっていました。
当の幼児二人は、初めて会うお姉さんを不思議そうに見ていました。
とはいえ、ミラちゃんに嫌悪感は全く無いので、幼児二人に否定的な反応はないですね。
因みに、今日幼児二人が勉強部屋に来たのはある用事があったからです。
「部屋の一角に、絵本が置かれたスペースを作ったんですね」
「マリアも、もう少し大きくなれば絵本を読むようになるわ。その為のスペースね」
僕は、王太子妃様とソファーの置かれた一角を見ています。
既に、書き取りの練習を終えたレンちゃんが、ガイちゃんとブレアちゃんを連れて絵本を読んであげていました。
「もちろん、勉強の邪魔にならないようにタイミングは見計らうわ。でも、上の子が下の子に教えるのもいい勉強よ」
王太子妃様曰く、絵本を読ませるだけでも上手くいかないことは絶対にあるといいます。
それでも、頑張って何とかしようとすること自体が勉強だと語っていました。
ジェフちゃんだったら、張り切ってマリアちゃんに絵本を読んであげるはずだね。
因みに、今日のちびっ子たちは少し広いところで木剣の素振りをしています。
きっと、戻ってきたら驚いて……
ガチャ。
「戻りまし……わあ、なんか出来ているよ!」
「「「「「わあ!」」」」」
木剣の訓練を終えたお兄さんお姉さんたちが、絵本コーナーを見て感嘆の声を上げていました。
ジェフちゃんは、直ぐにあることに気が付きました。
「お母様、もしかしてマリアちゃんもこの絵本を読むの?」
「そうよ。もう少しマリアが大きくなったらね」
「僕、マリアちゃんにいっぱい絵本を読んであげるんだ!」
ジェフちゃんは、既にとっても張り切っていました。
マリアちゃんが絵本を理解できるまでもう少しかかるけど、最初は絵本を見るだけでも効果があるもんね。
その間は、たまに王城にやってくるガイちゃんとブレアちゃんに絵本を読んであげようね。