散歩の千六十八話 新しいお友達
さっそく、僕たちはジェフちゃんたちがいる勉強部屋に向かいます。
「あの、大丈夫かな……」
「大丈夫だよ! みんなと直ぐに仲良くなるよ!」
シロは、ニコリとしながら少し不安そうな女の子の手を握ってあげていました。
相手は子どもとはいえ、実質的に初めて会う人たちだもんね。
僕も、シロと同じくみんな直ぐに友達になると思います。
ということで、さっそく勉強部屋に入りましょう。
コンコン。
「し、失礼しま……」
「「「「「いらっしゃーい!」」」」」
勉強部屋に入ると、ジェフちゃんたちが大歓迎していました。
もしかしたら友達が増えるかもって言ったけど、既に新しい友達ができると確信していたみたいです。
スーも、公務に行く前に顔を出してくれました。
「紹介するね。教会聖騎士団副団長カーライルさんの娘で、八歳のミラちゃんです」
「ミラです。その、よろしくお願いします」
「「「「「よろしくー!」」」」」
ペコッと頭を下げたミラちゃんに、みんなは元気よく返事をしていました。
すると、王妃様はこんなことを教えてくれたのです。
「ミラは聖魔法の使い手のみならず、剣術も中々らしいのう。聖騎士団の副団長らしい娘じゃ」
「「「「「おおー!」」」」」
ミラちゃんは、何と大剣使いだそうです。
普通の剣も使えるみたいで、剣士としても将来性抜群ですね。
そして、誰に言われるまでもなくジェフちゃんたちはミラちゃんに自己紹介を始めました。
とっても和やかで、お互いに良い感じですね。
「ミラは、このまま今日の授業を受けてもらう。ジェフたちも、ミラに負けぬようにな」
「「「「「はい!」」」」」
王妃様の激に、ジェフちゃんたちは元気よく返事をします。
そして、そのまま勉強が始まりました。
「しかし、シュンは中々面白いプログラムを考えている。これなら、別の子どもだろうと学力が伸びていくだろう」
副団長は、面接時に聞いた授業プログラムに驚いていました。
単に詰め込み型学習をするだけでなく、想像力を磨いたり体を動かしたりします。
子どもといえども、やっぱり適度な息抜きは必要です。
実際に半年おこなって、みんなの学力も良い具合に上がっています。
ご褒美に、たまに僕の作ったおやつをあげているけどね。
こうして、みんなの新たな近習という名のお友達ができました。
次にお友達になるのは、一体誰でしょうね。