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散歩の千六十五話 久々の休日です

 トトト。


「「ぱー!」」


 今日は久々のお休みなので、屋敷でゆっくりしています。

 応接室にいると、ガイちゃんとブレアちゃんが僕のところによちよちと歩いてきました。

 二人を両足に乗せてあげると、ほにゃっとしてとても良い表情を見せてきます。

 因みに、他のちびっ子たちはリリスちゃんのところに向かっていきました。


「何だか、結婚もまだなのにどんどんと赤ん坊が増えていきますね」

「それは仕方ないかと。助けを求めているか弱きものを、シュン様とスー様が助けておりますので」


 当然だと言わんばかりに、ベリアさんが返事をします。

 僕とスーは大教会だけでなくスラム街でも奉仕活動を行い、その際にベリアさんとガイちゃんを助けました。

 貴族相手に強制捜査を行うこともあり、ヴィヴィやリリスちゃんを助けました。

 本来は不幸な子どもが生まれなければいいのですが、残念ながらこの世界は治安もあまり良くなく貧しい人もとても多いです。

 とはいえ、僕たちができることには限界があります。


「それは、私も実感しています。全ての人を助けるのは難しく、到底無理だと思ってしまいます。それなら、何とか不幸な子どもが生まれるのを少なくするようにしないとって思います」

「あう?」


 僕と一緒に応接室にいるスーも、僕からブレアちゃんを受け取りながら少し難しい表情をしていました。

 表の華やかな世界だけでなく裏の貧しくて大変な世界も知っているからこそ、スーも色々と思うことがあるのでしょう。


「シュン様とスー様が真剣に色々なことを考えて頂いてくれるだけでも、私たちはとても嬉しく思っています。私たちのようなものが、少しでも救われて増えていけるようにと思っております。」


 ベリアさんは、とても良い表情をしていました。

 ベリアさんも絶望的な状況から何とか生き延びたし、ガイちゃんも何とか救えました。

 いまは、僕たちが救えたこの子が大きく成長をするのを願うばかりです。


 ドタドタ。

 コンコン。


「シュン、リリスちゃん寝ちゃったよ」

「今度は、ガイちゃんと遊ぶの」

「ヴィヴィは、ブレアちゃんだよ!」

「「アンアン!」」


 応接室に、賑やかな声が飛び込んできました。

 よく考えると、フランたちも元は奴隷として酷い目にあっていたもんね。

 ジョディーさんとノア君も、孤児院出身です。

 こうして、いまは良い笑顔をしているのがとても嬉しいです。


「「「「「こっちだよ!」」」」」

「「キャッキャ!」」

「「アンアン!」」


 そして、ちびっ子たちはガイちゃんとブレアちゃんと一緒に応接室を歩き始めました。

 微笑ましい光景に、僕だけでなくスーとベリアさんも思わずニンマリとしていました。

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