散歩の千六十四話 ジェフちゃんの近習候補の受付開始です
数日間はスーは新年の挨拶に追われていて、僕は公務に追われていました。
各部署も新しい事をやろうとしていて、その確認や承認に追われていました。
「ジェフちゃんの友達候補の用紙提出は始まっているんですよね?」
「あくまでも、用紙提出だけだ。新年の挨拶が終わらないと、面会まで進まない。まあ、犯罪歴があって不合格通知が届いているものがいるがな」
この日も、僕は王太子様と一緒に仕事をしていました。
募集要項を見ないで申請したのか、はたまた募集要項を満たしていないのに取り敢えず応募したのか。
そんな申込みの対応をしないといけない受付窓口は、とても大変ですね。
そして、申し込みの時点で不合格になる貴族は、本当に大したことない貴族なのでしょう。
アオも面接に参加するし、問題あるなしは直ぐに分かります。
そのアオは、若馬と共に新年の謁見で捕まった貴族の屋敷への強制捜査を行っています。
犯罪組織との繋がりは確認されず、単に能力が足りなくて得られない役職を賄賂でどうにかしようとしたらしいです。
貴族であれば良い役職を得られるのは、もう過去の話ですね。
「暫くは大きな動きはない。粛々と対応するだけだ。それに、学力もあるが人柄も重視する。勉強だけできても意味はない。そういう人物は、官僚の方が合っている」
コリーナちゃんたちは、とても個性豊かで他人を気遣う優しい心を持っています。
お手伝いも積極的に行うし、挨拶もしっかりとします。
勉強も何とか頑張っているし、とても良い性格だと思うけどなあ。
うーん、とても基準が高い気がします。
因みに、少しくらいヤンチャでも全然気にしません。
成長していくにつれて、性格も変わっていくだろうね。
こんな話をしながら、午前中の業務完了です。
「「「「「お腹すいたー」」」」」
昼食時、腹ペコなちびっ子たちが食堂に入ってきました。
どうやら、今日は剣技の授業もあったみたいですね。
「ジェフよ、誰が一番じゃったか?」
「えーっとね、カール君だよ!」
「ほほう、公爵家の息子は剣の腕も良いのか」
ジェフちゃんに質問した王妃様も、感心したように返事をしていました。
カール君はリアーナさんの弟だし、元々筋はいいかもしれません。
うちの子は、みんな剣以外が得意なんだよね。
将来的には、ガード君は剣が使えた方がいい気がしました。