散歩の千五十五話 負けてちょっと悔しいね
その後も仕事をしていき、新年の謁見関連や年明けから始まる事業関連の調整をします。
ジェフちゃんたちの近習を選ぶのは王太子様と王妃様が中心になるので、僕は基本ノータッチの予定です。
とはいえ、絶対に何かしらのお手伝いをする事になりそうな予感がします。
無事に午前中いっぱいで仕事が終わり、僕も一安心です。
「明日は、朝から謁見関連の対応がある。新年にもなるので、気を引き締めて対応するように」
「「「はっ」」」
僕たちは、訓示をする王太子様に一礼します。
前世と違って年末年始休暇はないけど、トラブルがなければキチンと定時で上がれるのはとても嬉しいです。
さてさて、ちびっ子たちはちゃんと勉強しているかな。
僕と王太子様は、様子を見に行くために勉強部屋に向かいました。
「うう、また負けちゃった……」
すると、ジェフちゃんが机に突っ伏してズーンと落ち込んでいたみたいです。
どうやら今日はテストを行ったみたいで、ジェフちゃんは勉強の出来るホルンに負けちゃったみたいです。
ホルンも、屋敷の図書室でよく勉強しているもんなあ。
「でも、書き取りはジェフちゃんの方が上だよ」
「うう、他で負けたもん……」
フランは優しいから、ジェフちゃんの頭を撫でて慰めていました。
とはいえ、ジェフちゃんも気合を入れて頑張ったから余計に悔しいんですね。
「ジェフも、よくできているぞ。来年またテストがあるから、そこで負けないように頑張らないとな」
「うん、頑張る……」
王太子様も、ちょっと苦笑しながらジェフちゃんの頭を撫でていました。
何とか気持ちの切り替えが出来たみたいですね。
そして、頑張ったちびっ子たちにちょっとしたご褒美の話です。
「今日の昼食に、昨晩僕とアオが作ったプリンを出す予定だよ」
「「「「「本当!?」」」」」
僕の話を聞いて、ジェフちゃんを含めたちびっ子たちのテンションが一気に上がりました。
落ち込んでいたジェフちゃんも、今は満面の笑みですね。
ということで、ちびっ子たちと一緒に食堂に向かいます。
「プリンおいしー!」
「「「「「「おいしー!」」」」」」
「ふふ、兄として成長したように見えたが、まだまだ子どもじゃのう」
美味しそうにプリンを食べるジェフちゃんに、王妃様も思わずニンマリです。
みんなまだまだ幼いから、これからドンドンと精神的にも成長するもんね。
きっと、ジェフちゃんたちも来年はもっと大きく成長するはずですね。




