散歩の千五十一話 今日は今日は平和な奉仕活動でした
奉仕活動を始めて少し経ったけど、今日はトラブルもなく本当に平和そのものです。
シロたち遊撃部隊も、たまに窃盗犯とかを捕まえているくらいです。
「その、ここのところの奉仕活動がおかしかっただけで、本来はトラブルは少ないのではないでしょうか」
僕が野菜を切りながら不思議そうに思っていたら、隣で作業しているシャーリーさんに真顔で言われちゃった。
そうだよね、普通の奉仕活動で爆発未遂事件とかは起きないもんね。
なので、治療班にこの人が参戦していました。
「おやまあ、可愛い子ね。それに、治療の腕も良いわね」
「ふふ、ありがとうございます」
「うにゅ?」
治療班に加わったセーラさんは、治療に来たお婆さんとにこやかに抱いているケインちゃんを見ていました。
ケインちゃんは、二人からニコリと微笑みかけられて何だろうという表情です。
ガイちゃんはホルンとヴィヴィの側にいて、ブレアちゃんはスーに抱っこされています。
今日の治療班は、とってもほのぼのとする光景ですね。
もちろん、治療はキチンとやっています。
孤児や寡婦が現れたとしても、普通に対応しています。
「しかし、今日の炊き出しは当たりだな」
「そうだな。こんなに美味い炊き出しは初めてだ」
僕、アオ、ジョディーさん、シャーリーさんが作る炊き出しも大好評で、お代わりを求める人もいました。
笑顔で美味しいって言ってくれるのは、作った人にとってはとても嬉しいですね。
シロたち遊撃班は段々とやることがなくなったので、兵と共に住民から色々な情報を聞いていました。
こうして、今日のスラム街での奉仕活動は何もトラブルが起きることなく終了しました。
「「「すー、すー」」」
ケインちゃん、ガイちゃん、ブレアちゃんは炊き出しのスープもいっぱい食べてお昼寝タイムに突入です。
幼児を抱っこしているセーラさん、ベリアさん、スーも、あどけない表情で寝ている姿に思わずほっこりしていました。
「新年になったら、息子を連れて遊びに行くわ。スー、またね」
「お義姉様、今日はありがとうございました」
スーは、ニコリとしながら馬車に乗り込むセーラさんを見送りました。
幼児同士の顔合わせも済んだし、今度は賑やかに遊ぶでしょうね。
セーラさんとケインちゃん以外の面々は、僕たちの屋敷に集まることになりました。
「ご褒美、何かな!」
馬車の中で、フランだけでなく他の子もは期待を胸にニコニコとしていました。
今日は、屋敷の厨房を使ってオヤツを作る予定です。
この前王都の本屋さんで料理本を購入したので、ちょっと違ったものを作ってみようと思います。




