散歩の千四十八話 王城での会議
王城に到着すると、僕、スー、アオは勉強をするちびっ子たちと別れて会議室に呼ばれました。
間違いなく、昨日あった色々な件ですね。
「すみません、遅くなりました」
「遅くなり、申し訳ありません」
会議室にはほぼ主要メンバーが揃っており、僕たちは謝罪してから席に着きます。
とはいえ、陛下たちは僕たちに怒ることはしません。
「例の赤ん坊と母親の対応をしていたのだ、何も問題ない。母親の様子はどうだ?」
「治療の必要はなく、体力がつけば一週間もあれば退院できるかも」
「うむ、それは良いことだ。奸臣の悪行の為に、無用な被害者を生むのは好ましくない」
陛下は、デヨーク伯爵一派の悪行を厳しく批判していました。
今回の事件は、それだけインパクトのあるものです。
何しろ、王子様やジェフちゃんたち、教皇猊下を始めとする聖職者、更に多くの町の人がいる中での爆発事件です。
しかも、何も事情を知らない子どもに爆発型魔導具を運ばせたのです。
そして、ガンドフ様が捜査状況を教えてくれました。
「デヨーク伯爵家で捕縛したものに、犯罪組織の構成員が複数含まれておりました。更に、犯罪組織の拠点からアオが確保した資料並びに屋敷より押収した資料を分析しました。その結果、爆発型魔導具は西の辺境伯領で起きた爆発未遂事件と同様に人神教から流れたものだと確認が取れました」
西の辺境伯領で起きた女神像爆発事件や人神教関係者が引き起こした事件は、僕、スー、アオはまさに当事者でした。
権力欲が強いものに危険な魔導具が渡ると、安易に使用する危険性があります。
今回は、まさにその例に当てはまるでしょう。
「ゲス枢機卿一派が事件の背後にいるかどうかは不明だが、いずれにせよそのような危険な魔導具が犯罪組織の手に渡っていてはならない。スラム街などへの巡回を強化し、犯罪組織自体を着実に潰していくように」
「畏まりました」
ガンドフ様は、陛下に臣下の礼を行います。
とはいえ、今回の犯罪組織は王都郊外の分かりにくいところに来ていたんだよなあ。
そうなると、王都内の巡回だけでは防ぎようがありません。
軍の王都外の巡回を強化しても、限界はあるはずだよなあ。
「デヨーク伯爵家は、例の赤ん坊を除いて貴族権限の一切を停止する。犯した犯罪があまりにも酷いため、貴族当主の扱いについても暫定や代理を設けずに国預かりとする」
あの赤ちゃんに、大犯罪を犯したデヨーク伯爵家の代理当主を任せるのは酷過ぎます。
それに、赤ちゃん自体はなにも問題はないもんね。
陛下も、その辺りを配慮してくれました。




