散歩の千四十六話 実はかなり大変だった
夕方前にホルンとヴィヴィと共に起き、応接室に向かいます。
すると、昼寝をしていた他の面々も起きて来ました。
スーも、シロも、ぐっすりと寝ていたみたいですね。
「通信用魔導具に、連絡が入っていますね。どうやら、アオちゃんとうちの馬の活躍もあって犯罪組織を壊滅させたみたいですね。拠点は王都郊外にあって、かなり分かりにくいところらしいです」
スーの通信用魔導具に送信された内容は、僕の通信用魔導具にも送られていました。
相手は爆発型魔導具を複数投げ込んできたけど、全てアオの念動で上空で爆発したそうです。
しかも、相手が間違って周りの爆発型魔導具も含めて自爆気味に爆発しても、馬の展開した魔法障壁を破ることはなかったそうです。
結果的に犯罪組織が自滅したのもあったけど、アオや馬の活躍で王国軍の被害は全くなかったそうです。
「ただ、拠点が吹っ飛んだので、捜索がかなり大変みたいだね。こればかりは、どうしようもないなあ」
「デヨーク伯爵家から押収した資料分析と、僅かに押収できた書類からどこまで分かるかですね」
クレーターができるほどの大爆発だったらしく、周辺の木々も含めて何もかもが吹っ飛んだそうです。
というか、そんな爆発から軍を守る魔法障壁を展開するなんて、うちの馬はかなり凄いなあ。
帰ってきたら、美味しい飼い葉を用意しないと。
そして、夕食前にアオたちは屋敷に戻ってきたけど、アオは犯罪組織の自爆を防げずにちょっとしょんぼりしていました。
「アオは何も悪くないよ。自分のところの魔導具を扱えなかった、犯罪組織の構成員が悪いんだからね」
「そうだよ、アオはとっても凄いんだよ。みんなを守ったんだからね」
僕とシロがアオを慰めても、アオはやっぱり悔しそうでした。
結果が結果なだけに、アオも思うところがあるようです。
とはいえ、実は突撃前にアオが拠点に忍び込んで急いで書類とかを回収したそうです。
アオはその際に爆発型魔導具も回収できたらと思っていたみたいだけど、時間の制約もあるのでしょうがないですね。
「今日はみんなも頑張ったし、明日もあるからいっぱい食べて休もうね」
「「「はーい」」」
ちびっ子たちの元気な声に、アオも元気を取り戻しました。
こうして、忙しい一日が何とか終わりました。
保護している赤ちゃんも、たくさんの使用人が将来の僕とスーの間の赤ちゃんのお世話の練習だといって積極的にお世話をしていました。
ブレアちゃんを保護した時にも、似たような話を聞いた覚えがあるような。
そして、全員お昼寝をしても疲れが取れなかったのか、夜もぐっすりと眠っていました。




