散歩の千三十三話 年末の奉仕活動の日になりました
いよいよ年末の奉仕活動の日になりました。
僕たちも、朝から準備を進めていました。
「みんなも準備できたかな?」
「「「はーい!」」」
「「あい!」」
出発前に玄関に集まったちびっ子たちに声をかけると、シロたちだけでなくガイちゃんとブレアちゃんも元気よく返事をしていました。
実は、前回のプレ年末の奉仕活動の際にブレアちゃんが楽しそうに帰ってきたのをガイちゃんが羨ましく思ったみたいです。
そして、今回は一緒に行こうとガイちゃんも可愛らしくお願いしてきたのです。
赤ちゃんから幼児に成長して、自我が芽生えてきた証拠かもしれません。
念の為に王妃様に通信用魔導具で連絡したら、「何も問題ない」と返信がありました。
べリアさんもついてくるし、アヤとアイもいるから大丈夫かな。
そんなことを思いながら、みんなで馬車に乗り込みました。
「「「おはよーございます!」」」
「うむ、おはよう。朝から元気じゃのう」
大教会に着くと、さっそくちびっ子たちが出迎えてくれた教皇猊下に元気よく挨拶をしていました。
すると、ガイちゃんとブレアちゃんも教皇猊下のところにとことこと歩いて行ったのです。
「「あい!」」
「ほほほ、しっかりと挨拶ができたのう」
ブレアちゃんとガイちゃんが手を上げながら教皇猊下に挨拶をすると、教皇猊下も上機嫌に二人の頭を撫でていました。
すると、二人は仲良く手を繋いで他の人にも挨拶に行ったのです。
スーも一緒にいるから問題ないけど、何だかほのぼのとする光景ですね。
「「あい!」」
「おはよー!」
ガイちゃんとブレアちゃんは、顔馴染みでもあるジェフちゃんにも元気よく挨拶をしています。
ジェフちゃんも、ニコニコしながら二人を抱きしめていますね。
そして、二人の知り合いの中では一番偉い人のところにもとことこと向かっていきました。
「「あい!」」
「おはよう、よい挨拶じゃのう」
二人の元気の良い挨拶に、王妃様も思わずニコリとしていました。
そして、王妃様はそのままスーに話しかけました。
「スーよ、子育ての良い練習になっておるのう」
「中々大変です。でも、私はお姉ちゃんですけどシュンさんはお父さん扱いなんですよね」
「それは致し方ないのじゃ。扱いが兄ではなく父親そのものじゃ」
何だか僕の方をチラチラと見ながら話をしているけど、僕はそんなに難しいお世話をしているつもりはないんだよなあ。
でも、僕が兄と思われても父と思われても、結果としてガイちゃんとブレアちゃんが元気に育っていけばいいですね。




