散歩の千三十話 みんな頑張っているかな?
うーん、ブレアちゃんを抱っこしたままだと料理できないからどうしようかなと思ったら、炊き出し班に助っ人が向かいました。
「ホルンが、お料理の手伝いをするよ」
まだ小さいのに料理上手なホルンが、治療班から炊き出し班に向かいました。
ジョディーさんも一緒に炊き出し班に向かったし、これなら大丈夫ですね。
では、僕は治療班でブレアちゃんを抱っこしたまま治療を行いましょう。
すると、ある人の姿が見えないのに気が付きました。
「あれ? レンちゃんとコリーナちゃんが……って、あんなところに!」
なんと、レンちゃんとコリーナちゃんが若馬の背中に乗って巡回班と行動を共にしているのです。
お転婆な二人だから、やりたいことが同じみたいですね。
幸いにして、近衛騎士が若馬の側にて制御していました。
う、うーん、今は何とかなっていると思いながら僕は治療を進めます。
シュイン、ぴかー。
「おや、今日のあんちゃんは赤ん坊を抱きながらの治療か。あんちゃんの子どもか?」
「保護した赤ちゃんですよ。僕はまだ結婚していないですし」
「そっかそっか。まあ、あんちゃんのところは既に子だくさんだからな」
顔見知りの冒険者がブレアちゃんの事を聞いてきたけど、ブレアちゃんも周囲を気にすることなく僕に抱っこされていますね。
なので、僕も治療していてとっても助かっています。
僕も、久しぶりの治療なので少し気合を入れています。
「今度は、僕が抱っこするー!」
「あうー」
暫くすると、ジェフちゃんがブレアちゃんを抱っこしていました。
ブレアちゃんも、いつも遊んでもらっているお兄ちゃんなので、素直に抱っこされていますね。
その間は、デニー君たちが順番にアオを抱いて治療をしています。
デニー君たちにとっても、治療しながら町の人と話をするのはとてもいい機会ですね。
シュイン、ぴかー。
「ど、どうですか?」
「そうそう、いい感じに治療できているわ」
ガード君は、引き続きスーの指導を受けながら治療をしています。
もう中等症くらいの怪我や病気なら、一発で治せるくらい腕が上がっていますね。
ガード君の年齢を考えると、とってもいい感じに治癒師として成長しています。
「あっ、わるものはっけーん!」
「捕まえるのですわ!」
「ブルル……」
そのガード君の妹のレンちゃんとコリーナちゃんは、天性の勘なのか次々と悪者を捕まえていました。
でも、二人ともちょっとお転婆すぎるかなって心配になっちゃいますね。




