散歩の千二十七話 昨日の後始末の状況
うちに若馬が来た翌朝から、毎日の馬のシャーリーさんたちの馬の訓練に若馬が加わりました。
うちの馬とアオが張り切って若馬を指導しているけど、お願いだから若馬を早々にUMAにしないでね。
そして、若馬を購入したところの情報も何となく分かってきました。
「どうやら、盗品を売りさばいていた地下商会みたいだね。馬も消耗品扱いしていたから、かなり扱いが酷かったみたいだよ」
「あの若馬も、使えなくなったから馬肉にしてくれと馬車工房に持ち込んだみたいですね。本当に酷いことをしますわ」
王城の王太子様の執務室でスーと話をしていたけど、本当に酷い話です。
でも、これだけのことをしていて今まで捕まっていないってのもおかしい話です。
まあ、予想通りの展開ですね。
「どこかの馬鹿貴族が、代替わりをしたのを期に安易に金儲けに手を出した。親は優秀でも、子どもは優秀とは限らない例だ」
王太子様も、報告内容を聞いてかなり呆れています。
犯罪組織と手を組むなんて、なんて馬鹿なことをしたのでしょうか。
昨日のうちに証拠を固めていたので、すぐさま強制捜査をしています。
騎士団に怒られた面々も捜査に参加し、言い逃れのできないレベルで証拠を集めていました。
当主は速攻で捕まり、犯罪に関与した使用人も捕まっています。
幸いにして屋敷には別の犯罪に関与していない弟がいて、既に暫定当主になっています。
お取り潰しや爵位降格にはならないかと思うけど、多額の罰金は免れないですね。
「図らずとも、西の辺境伯領に向かう馬車と馬が手に入ったのだ。スーたちの結果は良いとしよう。しかし、金の魅力とは本当に怖いものだ。犯罪に関与することを、全く気にもしない」
王太子様は、思わずため息をついていました。
今までも、お金目当てで犯罪を犯すものを複数見てきたからです。
目の前の欲求を満たすだけで、後で大失敗になることに気がついていません。
親が幾ら良い人でも、意味ないこともあるんですよね。
教育もあるだろうけど、本人の資質もあるでしょうね。
ジェフちゃんたちみたいに、勉強も武芸も熱心に頑張ると少しは違うはずなんだよなあ。
「勉強だけでなく、心身の強化もしないとならない。シュンの進めている勉強方法で、今は様子見だな」
ここは王太子様がしめて、僕たちも仕事を続けます。
因みに、昨日勝手に行動した面々は今週いっぱいは書き取りの量が倍になって涙目でした。




