散歩の千二十三話 さっそくみんなで朝の訓練を行います
翌朝から、僕たちの屋敷には聖教皇国に向かう際に一緒になる面々が訓練の為に集まりました。
みんな顔見知りだし、屋敷の使用人も普通に対応しています。
「じゃあ、準備運動をしたらみんなで魔力循環を行いましょう」
「「「「はい!」」」」
シャーリーさん、リアーナさん、ケーシーさん、テルマさんは、僕の訓練方針を伝えると元気よく返事をしました。
体を良くほぐしたら、待ってましたと言わんばかりにシロたちがシャーリーさんたちの所に向かいました。
「魔力循環をよくおこなって、次は魔力制御の訓練に移ります」
さっそくペアを組んで魔力循環を行い、改めて自分の中に流れる魔力の感覚を掴んでもらいます。
その間に、うちの馬もやってきてシャーリーさんたちが乗ってきた馬車を引いていた馬に何やら話しかけていました。
アオもうちの馬と一緒にいるけど、お願いだからシャーリーさんたちの馬に余計なことは教えないでね。
いつの間にか魔力循環が終わったみたいなので、次は魔力制御の訓練です。
「最初は、魔力を指先に集めてキープする練習です。魔力の持続性の訓練ですね。その際に、出来るだけ小さく魔力を集めてみましょう」
スーがシャーリーさんたちにお手本を見せているけど、これは一石二鳥の訓練です。
片手で慣れたら両手で行います。
「む、難しい……」
「小さく維持をするのがこんなにも大変だなんて……」
ケーシーさんとテルマさんが思わず愚痴を言っていますが、全員細かな魔力制御に苦戦していますね。
でも、今日は初日だから徐々に慣れていけば大丈夫です。
「シロは魔力制御大得意だよ!」
「ホルンも得意なの」
魔力制御が得意な、シロ、ホルン、ジョディーさんは、シャーリーさんたちに話しかけながら魔力制御のコツを教えていました。
みんなで教え合うことで、自分も教わるいい機会です。
競争している訳では無いし、みんなで魔法が上手くなればいいですからね。
シュイン、バシュ、バシュ。
そして、いつの間にかうちの馬がシャーリーさんたちの馬にエアーバレットを披露していました。
しかも、シャーリーさんたちの馬は、ふむふむと頷いています。
あの、お願いだからシャーリーさんたちの馬を強者にしないで下さいね。
だから、アオも主人を守る術を教えるって触手をふりふりとしないで下さい。




