散歩の千二十一話 引き続き会議です
そして、旅の件に話が移ります。
「シュンたちには、騎士団長をトップとする聖騎士団も一緒についていく。騎士団長はあのゲス枢機卿と同じ枢機卿だから、文句を言うのは不可能だろう」
教皇猊下曰く、ヘーベル枢機卿は王国内の選挙結果を伝えにいく役目もあるそうです。
昔は投票用紙を聖教皇国に持っていったらしいけど、今は通信用魔導具で送信して完了だそうです。
それでも、僕たちにとって心強い援軍です。
「あと、同行者として、リアーナ、ケーシー、テルマの三人を連れて行く。腕も立つし、スーと親友だ。公爵家令嬢に辺境伯家に嫁ぐ二人だから、家格も問題ない」
おお、この三人が加わるのはとても心強いです。
シャーリーさんの護衛を務めることもできるし、同じ女性として接しやすいはずです。
男性が僕とノア君だけになるのは、少し心細いけど……
あと、アヤとアイにリアーナさんの侍従のグリムワールさんとエアリスさんも同行するはずです。
うちの馬車二台で十分だし、うちの馬なら余裕で馬車を引くだろう。
「先ずは、このメンバーで西の辺境伯領に向かう。辺境伯、何か意見はあるか?」
「我が領地までは問題ないかと。我が妹のトリアが、是非とも皆様方と同行したいと申しております」
「辺境伯の妹は、スーとシュンと顔見知りだ。何も問題ない」
トリアさんが僕たちと一緒に行きたいというのは、なんとなく予想ができました。
今回は辺境伯家に産まれた二人の赤ちゃんのお世話で王都に来れないけど、僕たちが聖教皇国に行く頃には赤ちゃんから幼児にランクアップしているはずです。
ジョディーさんとノア君はトリアさんに会ったことがないので、現地に着いたら紹介してあげないとね。
「あと、聖教皇国から使者が参ります。不敬な事をした場合、王国の王都に送っても宜しいでしょうか?」
「王国内で起こることだ。厳重な警備をつけて、王都に送るように。各辺境伯も、領地や管理するところで不審な聖職者がいたら、遠慮なく王都に送るように」
「「「「畏まりました」」」」
教皇猊下は、下手に聖教皇国に使者を送り返すリスクも考えているみたいです。
僕も、王国の教会トップに対応をお願いした方が無難な気がします。
今回は、あらゆるリスクを考えないといけないですね。
武力行使だけは避けたいけど、特に子どもたちを守るために力を使うかもしれません。
その子どもたちが、先に大暴れしそうで怖いけど……




