散歩の千十八話 子どもたちの勉強の見学に行きます
会議を終えると、各辺境伯様は昼食までの時間つぶしということでちびっ子たちが勉強している勉強部屋に向かいました。
子どもたちがどんな勉強をしているか、領主としても父親としてもとても気になっているみたいですね。
王太子様もついて行くそうで、さっそく勉強部屋に向かいました。
ガチャ。
「あっ、お父様だ!」
僕たちが勉強部屋に入ると、ジェフちゃんが直ぐに王太子様の姿を見つけてニコッとしています。
勉強自体は続くので、僕たちは勉強の邪魔にならないように勉強部屋の後ろに移動します。
「それでは、今日は『パン』という単語を使って文章を作ってみましょう」
「「「はい!」」」
デンバーさんが教える内容に、ちびっ子たちは元気よく手をあげていました。
さっそく、あーでもないこーでもないと文章を考え始めました。
「単に文章を書き写すだけでなく、自分で文章を考える能力を付ける為の勉強です。今は簡単な内容ですが、年齢が上がるにつれて難しい内容になっていきます。もちろん、基礎的な言葉の能力が無いと駄目です」
僕がこの勉強の目的を説明すると、各辺境伯様は直ぐに理解してくれました。
文章を作成して説明する能力は、ちびっ子たちには将来的に絶対に必要になります。
その他にも、計算なども今は基本的な内容から実践的な内容に順に移っていきます。
「読み書き計算や社会に歴史などは必要ですが、できるだけ外での勉強も増やしてあげたいと思っています。実体験しないと分からないこともあるので、頭でっかちにならないように気を付けます」
「シュンは、細かいところまで注意しながら勉強方法を考えている。まだ子どもはいないが、この子たちの実の父親の様に本当に慈しみを持っている」
北の辺境伯様は、僕の説明を聞いてかなり納得していました。
僕にとって、特にフランたちは実の子どもの様に大切にしているのは偽りのないことだもんね。
「スーは、既に良い旦那さんを持っているな。ここまで子どもの面倒を見る父親は、王国中を探しても中々いないぞ」
「あうっ……」
南の辺境伯様がニコニコしながら話をしたので、スーは顔を真っ赤にして俯いちゃいました。
何だか照れるスーを見るのも久々だけど、スーもフランたちのことをとても大切にしています。
赤ちゃんのガイちゃんとブレアちゃんのお世話も良くしているし、使用人からは母親勉強も順調って言われてるんだよなあ。




