散歩の千十七話 辺境伯会議です
各地の辺境伯様が屋敷に来た翌日、今度は早朝から王城で辺境伯会議です。
午後からは、来年の聖教皇国へ行く件で関係者会議を行います。
僕たちも、朝から貴族服に着替えて身だしなみを整えて王城に向かいました。
「ふむ、こんな話をしていたのか。世間話をして、話を聞き出すのもとても重要だ」
会議前に、王太子様と執務室で打ち合わせをしていました。
昨日屋敷での話の内容を伝え、特に教会の動きに警戒をしていました。
そういう点だと、王国内の教会はまだ良い人が集まっていると言えましょう。
「人神教によって、王国もかなりの被害を受けた。これからも、何が起こるか分からない。情報は、出来るだけ集めるようにしよう」
王太子様の方針に、僕とスーは即座に頷きました。
僕とスーは聖教皇国に行く予定なので、思いっきり当事者です。
なので、聖教皇国の状況は僕たちにとっても重要なことです。
その後も王太子様と話し合い前の打ち合わせを行い、辺境伯会議に臨むことになりました。
「各領地の統制は問題なさそうだな。後継も産まれたところがあり、国としても安堵だ」
辺境伯会議の冒頭、報告を受けた陛下が満足そうに頷いていた。
でも、父親になった西の辺境伯様は赤ちゃんに好かれてはいないんだよなあ。
ケントちゃんがお兄ちゃんとして張り切っているみたいだし、そっちに期待しましょう。
「農作物の収穫も順調で、工業製品の製造も問題なく行われているのは良いことだ。後は、人材を育てないとならない。人材育成は、長期的なビジョンを持って取り組むように」
中央もそうだけど、人材育成を進めるのがとにかく大変だそうです。
今年は軍の捜査機関の不正対応もしたけど、僕も人材育成の難しさは痛感しました。
ガンドフ様とかの人の上に立つ人は、本当に凄いと思います。
その後は、人神教への警戒として軍の警戒を強化する方針を確認しました。
そんな中、王太子様があることを提案しました。
「場合によっては、中央に人材の候補生を集めてまとめて教育するのも良いかと。その場合、シュンが教育担当になるでしょう」
王太子様、とんでもない事を言っていますよ。
というか、各辺境伯様も陛下もその手があったと納得しないで下さい。
「シュンたちは、来年早々に聖教皇国に行く。その後に、候補生の教育担当とさせよう」
そして、あっという間に僕が各辺境伯家の人材育成の担当となってしまいました。
あの、皆さんが既に上手くいったという表情をしているのは気の所為だと思いたいです。




