散歩の千十五話 各辺境伯が屋敷に遊びにきました
各地の辺境伯が王都にやってきた翌日、僕たちの屋敷にその辺境伯様が改めて顔を見せました。
すると、そこである事件が起きてしまったのです。
タタタタ。
「「うわーん!」」
「何でシュンのところの赤ん坊も、俺を見て泣くんだよー!」
ガイちゃんとブレアちゃんは笑顔で各地の辺境伯様を玄関で迎えたのですが、西の辺境伯様を見た瞬間大泣きして屋敷の奥へ一目散に走り出してしまったのです。
うーん、西の辺境伯様の長男のケントちゃんもお母さんのエミリア様に懐いているし、何かの原因で赤ちゃんに嫌われるのかもしれません。
うん、僕たちではもうどうしようもできないことですね。
「ま、まあ大きくなればきっと大丈夫ですわ。同じ獣人同士ですし……」
「はあ、そうだよな。ケントも、少し大きくなるまで俺に慣れなかったよなあ……」
スーが慰めても、西の辺境伯様が復活するのには少し時間がかかりました。
何とか応接室に案内して、他の辺境伯様と共に話をします。
「しかし、既にシュンもスーも子育てを経験しているのか。将来二人の子どもが生まれても、全然大丈夫だな」
絶賛孫の世話を楽しみに行っている北の辺境伯様が、玄関で出迎えたガイちゃんとブレアちゃんを見て感慨深そうにしていました。
あの、西の辺境伯様以外全員同意しているけど、流石にまだ気が早いと思いますよ。
「シュンと共に活動していた冒険者は、今では領内を代表する冒険者となっている。新人も教え始めていて、いい循環が起きているぞ」
南の辺境伯様曰く、ダンたちはかなりうまくやっているという。
上級冒険者になるのも時間の問題らしく、国を代表する冒険者になれるかもしれないね。
一緒に活動していた僕としても、とっても嬉しいことです。
そんな中、東の辺境伯様はある意味ビックリする事を言ってきました。
「花見祭りの件もあるから、住民はシュンのことを完全に料理人と認識している。冒険者だと認識しているのは、直接活動しているごく一部だ」
「「「あー……」」」
他の辺境伯様も、東の辺境伯様の発言に思い当たる節があるようです。
僕も東の辺境伯様の言っていることが分かるので、苦笑しかできませんでした。
「そういえば、フィーナがそのうちスライムを武道大会に参加させると意気込んでいたぞ。本人がまだ十二歳になっていないから、それまでスライムを鍛えるって言っていたな」
北の辺境伯領で行なわれた武道大会でアオが優勝したのもあり、今年は従魔を連れた参加者も増えたそうです。
とはいえ、フィーナさんのスライムのパールちゃんが強くなるももう少し先だと思いますね。




